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【専門獣医師解説!ウサギを10歳以上の長生きさせる飼育のコツ】

ウサギを長生きさせる飼い方のコツは意外と簡単です!

①三大習性を満たす

②ストレス対策

③よいエサを与える

④健康診断

●色々なサイトにウサギの飼育の記事が多く書かれていますが、ここでは細かいことを省略し、フォーカスを上記①~④に絞って専門獣医師が解説をします。その他の情報は以下を参照してください。

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①三大習性を満たす

●ウサギの三大習性って知っていますか?群れること、齧ること、逃げることの3つなのです。野生では集団で生活をすることで天敵を見つけやすくし、襲われないように逃げながらエサを求めて行動しています。ペットのウサギの原種であるアナウサギの生態の本を一度じっくりと読んでみてください。読むとウサギを見る目が変わります。ウサギを飼う心がまえが変わりますよ。

群れる

●野生のアナウサギは群れで生活をしており、複数で群れることで安心します。群れの中で社会生活序列を営み、お互いコミニケーションもとっています。コミニケーションをとることで普段のストレスが減ります。
ウサギの集団  群れデ暖を取るウサギ
●一般的なペットの飼育では、多頭飼育には多くの問題があります。相性の合わないウサギでは喧嘩をし、ストレスにもなり番で飼育すると容易に繁殖して、増えてしまいます。番で飼育する場合は必ず繁殖計画を考えてください。女の子は避妊手術、男の子は去勢手術が必要となる場合があります(避妊手術・去勢手術)特にオス同士は喧嘩がおこりやすく、あえて複数で飼育するならばメス同志がお勧めです。ケージを別にして複数のウサギを飼うことは可能です。部屋に放して、人の目の届く範囲でウサギを接触させれば問題ありませんが、喧嘩はもちろんのこと、ウサギは部屋の中で放す順番や匂いなどに敏感です。すねるウサギもいますので、注意して下さい。
ウサギ群れ

●実際にペットでウサギを飼育する場合、複数飼育で群れさせることは難しいですよね。どうして群れることをDrツルは勧めているかといいますと、あなた(人間)が群れの中の一員になればよいのです。あなたは、群れの中でウサギと同等ですか?それとも下?ひょっとしたら上?それはウサギに聞いてください。ウサギをペットでなはなく、群れの仲間と思うような気持ちで接触してみてくださいきっとウサギと精神的な絆が結べるはずです。そうなると、ウサギの方から、何らかのコミニケーションやリアクションがあります。
●「うちのウサギは馴れない」、「抱っこをさせてくれない」という声を聞きます。ウサギは基本的に人に抱かれることは好まない動物です。人に恐怖心を持った馴れないウサギにしないように、ウサギの信頼を勝ち取ってください。あなたも嫌いな人や信頼のない人に、抱きしめられたら、嫌ですよね。
●馴らすには幼体の時に行うのがポイントです。好奇心が大盛な時期で、人への恐怖心も少ないことkら接触を試みる重要な時期です。生後26~42日齢で離乳して人と接触したウサギが、最も馴れるという報告もあります〔DerWeduwen et al. 1999〕。

あなたもウサギになっちゃってください

齧る

●ウサギは齧ることが大好きな動物で、目の前の物をすぐに齧ってしまいます。世間では齧り癖と呼ばれていますが、物を齧って口をもごごもご動かすことはウサギの本能なのです〔Huls et al.1991〕。
●齧ることを叱ることはしないで、齧ってもよい物を与える考えに変えてくださいウサギは面白いことに金属やプラスチック製品よりも、植物性の木や牧草で作られている物を好んで齧る習性があります。金属やプラスチック製の玩具はすぐに飽きてしまいますが、木や牧草でできたものは、崩壊するまで飽きません〔Harris et al.2001〕。

ウサギは齧るのが商売、木か牧草を齧らせて

木を齧るウサギ  

●木や牧草の玩具を齧ることは、不正咬合の予防になります。普段からウサギが牧草をあまり食べなくて悩んでいる飼い主さんの話を結構耳にします。遊びながら、少しでも牧草や木を噛んでもらいましょう。Drツルは、診察時に齧り癖の対策を相談された時には、真っ先に頭に思い浮かべるのは川井さんのハングトイ チモシーボードとコロコロ牧草ボールの2商品です。ぜひ試してみてください。

 

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逃げる

●野生では捕食される弱い動物で、逃げることは本能でもあります。ペットのウサギでは逃げる習性はなくなり、「物や穴に潜って隠れること」、「巣穴を掘ることという習性に変わっています。下の写真をみてください。これは上野動物園の屋外で飼育されているウサギです。広い敷地の中で、地面を掘ったり、木の巣穴に喜んで隠れています。とても幸せそうでした。
屋外飼育のウサギ  地面を掘るウサギ 巣穴のウサギ
●あなたのウサギには、小屋やトンネルを提供してみてください。気に入れば喜んで中に潜り込みます。しかし、ウサギには好みというものもあります・・・
ウサギトンネル
●意外に知られていませんが、地面を掘るという行動も大好きです。大きなタライにシュレッターにかけた紙や木製チップを敷き詰めるとウサギは狂ったように潜ることがあります。残念ながら気に入らないと全く興味を示しませんが・・・
ウサギ遊び 
●「ウサギはどれくらいの広さのケージがよいですか?」、「部屋の中で遊ぶ時間はどれくらいですか?」という質問をよく受けますが、どれくらい夢中になって遊ぶかが問題なのです。気に入った小屋やトンネルがあれば、その上に乗ったり、なんども潜り込んだりします。まさにアナウサギですね。
ウサギ小屋
●齧り癖が強いウサギであれば、木や牧草の小屋を齧って崩壊しますので、消耗品と思ってください。とても便利な商品はわらっこシリーズです。隠れて、齧って、ウサギへのご褒美として与えてみてください。

わらっこシリーズは一石二鳥です

  

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②ストレス対策

ストレスホルモン

●ウサギの性格には個体差があり、温和な子から神経質や臆病な子まで様々です。ストレスを受ける程度も異なります。
●ウサギはストレスに弱い動物といわれています。ストレスを受けると、2つのホルモンが分泌します。体の中の副腎髄質という臓器からカテコールアミンが分泌され、心拍数が増加(心臓がバクバクします)、血圧が上がり、消化管の運きが低下し(胃腸のうっ滞)、呼吸も早くなります。この状態は緊張しているのと同じで、心臓に負担をかけ、食欲不振、軟便や下痢がみられます。そして、副腎皮質という臓器からコルチゾルが分泌され、免疫力を低下させ、パスツレラ症などを発症させます。

ストレスホルモンとはカテコールアミンとコルチゾル

対策(環境エンリットメントとハッピーホルモン)

●ストレスにより過剰なカテコールアミンとコルチゾルを分泌させないようにすることが大切です(これらのホルモンは悪者ではなく、過剰に分泌することがいけないのです)。そのために環境エンリッチメント(動物を心理的に幸福にさせることを目的とする飼育〔松沢 1999〕)とハッピーホルモンを分泌させることを考えてください。

ストレス対策は環境エンリッチメントとハッピーホルモン

●環境エンリットメントとは、飼育面積を広くし、部屋に放す時間をつくることはもちろんですが、齧り木、巣箱やトンネル、玩具などを与え、十分な運動量をとらせ、本来の潜る、穴を掘る行動を再現させることです。
●幼体の時期から、環境リッチメントを与えて飼育することで、ストレスに強いウサギになるだけでなく、人に馴れるウサギになります〔Mis 2003〕。
●ウサギのハッピーホルモンを増やしてあげましょう。ウサギだけでなく飼い主もハッピーホルモンを出すことでお互いの良い関係は、さらにストレスを減らします。ハッピーホルモンとは、セロトニオキシトシンの2つのホルモンです。
●精神を安定させるのセロトニンは、気持ちがポジティブになり、苛立ちをおさえて気持ちが冷静になる役目があります。セロトニンは精神的な作用だけではなく、アンチエイジング効果もあるといわれています。セロトニンは、規則正しい生活をし、適度な運動と栄養などによって分泌されます。

きちんと寝かせて、しっかり運動させて、栄養をしっかりとることでセロトニンが出ます

●癒しのオキシトシンは、幸せを感じ、ストレスの緩和の役目をします。オキシトシンは群れることで相手との触れ合いによって分泌されます。

ウサギがあなたに信頼をおくようになるとオキシトシンが出ます

●具体的にそして簡単にいうと、「ウサギにとってハッピーな環境をつくればストレスにならない」ということです。しかし、気をつけてください。あなたもウサギの一員になるということは、ウサギを甘やかすわけではありません。部屋で遊ばせるにせよ、規則正しい生活をさせるにせよ、主導権は必ずあなたがとることを忘れないでください。つまり完全にウサギの下になってしまうのも考えものなのです。

③よいエサを与える

●ウサギは草食動物です。牧草を主食にし、ウサギ用ペレット野菜などを与えてください。
ウサギエサ

●牧草はエサ容器にいれておくだけでなく、牧草フィーダーなどから引っ張って齧らせてください。ウサギに齧る行為を促し、ストレス防止にもなります。
●牧草を主食にすることで、胃腸の動きがよくなり、胃のうっ滞・毛球症、腸炎などを予防します。

●胃のうっ滞・毛球症は急性の症状がみられると突然死することもあるので、こちらの対応をご覧になってください(緊急対応)。
牧草フィーダー 

牧草は引っ張って食べさせてください

●ペレットは牧草よりも好んで食べる上に、カロリーが高いという欠点があります。そのため、ペレットを食べ過ぎると、肥満になる恐れがあります。ペレットは与える量を調節しないと肥満になります。
ウサギ採食
●ペレットは牧草よりも好んで食べる上に、カロリーが高いという欠点があります。そのため、ペレットを食べ過ぎると、肥満になる恐れがあります。
●ペレットを選ぶポイントは、粗繊維20%、グルテンフリー、糖類不使用です。栄養のバランスが整えたペレットはセロトニンの分泌に必要です。

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●ペレットに乳酸菌などのプロバイオテックス、乳酸菌を増やす成分であるプレバイオテックスなどが配合されているペレットやサプリメントが増えています。しかし、ウサギの胃から出る胃酸は強いので、乳酸菌が死んでしまうので、ただ乳酸菌を与えればよいというものではありません。それらをきちんと配慮したペレットが少ないのが現状です。
●牧草やペレットだけでなく、サプリメントに頼るのも一方法と思います。

④健康診断

●5歳以上はウサギは年寄りになります。腎不全、肝不全、心不全などの病気がとても増えてきます。

高齢のウサギ
●われわれ人間と同様に老衰が原因でなく、何らかの病気が死因で死ぬことが多いです。その病気の進行を防げば長生きできるはずです。
●若いウサギ、中年ウサギ、年寄りウサギによって、検査内容が異なります。意外と病気がみつかりますが、早期発見早期治療が大切です。
●10歳を目指すには、ぜひウサドック(健康診断)を受けましょう。

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ウサドック希望と言って、ご予約をおとりください

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参考文献

■Akita M,Ishii K,Kuwahara M,Tsubone H.The Daily pattern of cardiovascular parameters in Kurosawa and Kusanagi-H ypercholesterolemic(KHC)rabbits,Experimental Animals 51.353-360.2002
■Der Weduwen S,McBride A.Behaviour and the effects of early handling. In: Refining rabbit housing, husbandry and procedures: report of the 1998 UFAW/RSPCA Rabbit Behaviour and Welfare Group meeting.Anim.Technol50.164.1999
■Huls WL et al.Response of adult New Zealand White rabbits to enrichment objects and paired housing. Laboratory Animal Science 41.609-612.1991
■Harris Ld et al.Evaluation of objects and food for environmental enrichment of NZW rabbits.Contemp Top Lab Anim Sci40(1).27-30.2001
■Mis J.A Novel and Cost-Effective Approach to New Zealand White Rabbit Enrichment.TECH talkl. 8(6).2003
■Pariaut R.Cardiovascular physiology and diseases of the rabbit. Veterinary Clinics of North America:Exotic Animal Practice 12(1).35-144.2009
■松沢哲郎.動物福祉と環境エンリッチメント.どうぶつと動物園51(3).4-7.1999