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ウサギの飼育|ケージ・エサ・ケアの解説

1飼育

●実験動物では実験用ケージと実験動物要飼料という質素なスタイルで飼育されています。しかし、ペットでは様々なケージが販売され、ウサギにストレスがない、喜ぶような飼育環境を作ってあげましょう。
ウサギ実験動物用ケージ




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1‐1飼育頭数

●ウサギは群れで生活していますが、一般的な飼育では、1頭飼育と多頭飼育でも大きな問題はないです。
●多頭飼育では、個体間の相性から喧嘩やストレスにもなり、番で飼育すると容易に繁殖することも考慮しましょう。オス同士の多頭飼育は喧嘩をしやすいため、メス同志での飼育が勧められています。多頭飼育でもケージを別にして飼えば、部屋の中での接触に注意すれば問題ありません。
ウサギ群れ

1‐2ケージ

●ウサギの飼育ケージはハッチ(Hutch)と呼ばれています。
ウサギケージ  ウサギケージ
●ケージの中に床敷を敷いて、餌容器や給水器などをレイアウトして設置してください。
●実験動物では様々なケージの広さが報告されていますが、近年、ケージ内の対角線あるいは横幅をいっぱいに使って、身体を伸ばすことのできる面積が理想的とされるストレッチファクターという考えが支持されています。これに基づき、体重ではなく体長を考慮したケージ選びも推奨されています〔Eveleigh 1988〕。
●本来活動的なウサギにとって、運動や飛び跳ねる行動を確保される環境が必要とされています(KW〔キーワード〕:環境エンリッチメント)。小屋に潜り込んだりする以外にも、ケージ内にスロープやロフトを設けて、ウサギが棚の上に跳ね上がったりして、運動量を増すような工夫もされています。実験動物でもケージの床面積や高さの指標以外にも、棚の大きさや設置する高さまで表示されています。しかし、このレイアウトは骨折をはじめとする怪我が起きやすい欠点がありますので、注意してください。
ウサギケージ  ウサギケージ
ウサギケージレイアウト  ウサギケージレイアウト

理想のケージは広くて、遊べる空間があることです

表:実験用ウサギのケージの大きさ〔(EUの実験動物保護指令)〕

体重 床面積 高さ 棚の大きさ 棚の高さ
3kg未満 3500 cm2 45cm 55×25cm 25cm
3~kg 4200 cm2 45cm 55×30cm 25cm
5kg以上 5400cm2 60cm 60×35cm 30cm

●高齢のウサギや足腰が弱いウサギでは、ロフトや棚などは不要です。事故が起きないように平面の空間のみ設けてください。トンネルや小屋などを地面に設置したり、ケージの外部に取り付けてあげると喜びます。
ウサギケージ  ウサギケージ
ウサギケージ  ウサギケージ

年とったウサギは安全な平面での遊び場でよいです

●ケージの床敷は牧草などを敷きますが(KW:床敷)、衛生的な管理を望むなら、金網、木製、樹脂製のすのこを使いますが、足底への損傷(潰瘍性足底皮膚炎)に注意しなければなりません。
ウサギ牧草床敷  ウサギフットレスト床敷
●制限された空間ではストレスが溜まるため、ケージ飼育の場合には大きなケージを提供したり、棚の設置をする以外に、部屋で放し飼いをする時間をもうけてください(KW:環境エンリッチメント)。

ウサギケージ

ウサギ部屋の放し飼い  ウサギ部屋の放し飼い
●ウサギはケージの隅などで排泄するため、トイレのしつけは時間をかければ、ある程度覚えます。
ウサギトイレ  ウサギトイレ

1-3温度・湿度・照明

●基本的に暑さに弱く、寒さに強い動物です。気温が30.2℃以上になるとストレスを感じ〔Besch et al.1991〕、体温が40.5℃以上になると神経症状が起こり、熱射病や熱中病になります〔Gentz et al.1997〕。
●夏はケージを直射日光が当たる所やしめきった部屋に置くと、熱射病や熱中症になる可能性があります。部屋の温度を観察し、涼しい場所に置いてあげてください。
●ウサギは皮膚の汗腺が未発達で、犬のように舌をだして「ハアハア」とできない動物です。耳の血管からしか熱の放散ができません。特に長毛種は体温が高くなりやすいので注意してください。
●冬の寒い時は、保温器具で寒さを防ぐ工夫をし、夏は冷房や送風などで温度が上がりすぎないように注意してください (KW:温度・湿度)。
ウサギ金属ベッド

ウサギは暑さに弱いので要注意

●夜行性の動物なので、日光浴をさせる必要はありません(KW:照明)。

2食事

●ウサギは草食動物で、牧草(KW:牧草)中心に、ウサギ用ペレットや野菜(KW:野菜)どを与えてください。
ウサギエサ
●活動し始める夕方から夜の早い時間にかけて、エサを与えてください。
●牧草やペレットは常に餌容器に入れておき、しおれやすい野菜は時間を決めて新鮮なものを与えてください。果物やおやつなどはコミュニケーションの一環として、時々与える程度にとどめましょう。

牧草を食べ放題にしてください

●エサの内容に敏感ですので、急な変更で拒食を示すことがあります。エサを変更する場合は数日以上の時間をかけて行って下さい。

2-1ペレット

●ウサギ用ペレットの主な原材料も牧草です。牧草を粉にして、そのほかの食材や栄養素を配合して固められています。牧草だけでは接種できない、ウサギにとって大切な栄養素を摂ることができます。
●主食は牧草です。しかし、ペレットは牧草よりも好んで食べる上に、カロリーが高いという欠点があります。そのため、ペレットを食べ過ぎると、肥満になる恐れがあります。ペレットは与える量を調節しないと肥満になります。
ウサギ採食
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●ペレットの与える量は各メーカーによって、体重の3~4%の量を目安に1日に2~3回に分けて与えるように記載されていますが、実際の食事量は、少し難しい計算式を使って算出します。
●1日あたりのエネルギー要求量(DER)を求めて、牧草やペレットのそれぞれのカロリーを調べて、正確な与える量が計算できます。ペレットを与える量は、エキゾチックペットクリニックのホームページの動物情報-哺乳類-ウサギ目-ウサギ-基礎代謝量計算を見てください。ウサギの体重とペレットに記載してある代謝エネルギーの数値を打ち込めば、ペレットを与える量が自動的に算出されます。
ペレットの与える量を自動計算してくれるページはここ

●これはペレットのみしか与えない場合の量ですので、与えるペレットは計算した量の半分以下にします。あとは牧草を自由に食べさせて、少量の野菜を与えれば痩せるはずです。それでも痩せない場合は、さらに減らすことも検討しましょう。牧草は時間をかけて食べると満腹感も得られます。特に成体は肥満になりやすいので、おやつを与える場合は、牧草やペレットの量を減らしてください。
● 実験動物では、粗繊維16%、粗脂肪3%が必要量とされていますが〔大島 2001,Brooks 1997〕、ペットのウサギでは肥満予防や消化管の蠕動を調節するために、粗繊維20%以上、粗脂肪2~3%が理想とされています。粗タンパクは16~20%が必要とされていますが〔Hove et al. 1975〕、タンパク質摂取はエサ以外にも、食糞による微生物由来の蛋白質が供給されます。
●ウサギはエサに含まれているカルシウム濃度が尿中のカルシウムの量に比例します。エサの過剰のカルシウムは、尿路結石の原因になりますので、カルシウムの含有量が多くないペレットが理想です。しかし、正常な成長を保つためには、食餌中に最低でも0.22%のカルシウムが必要とされ〔Chapin et al. 1967〕、骨の石灰化を促すには0.44%〔Buss et al. 1984〕が必要です。現在の多くのペレットは0.9~1.6%であるものが多く、ペット用ウサギには0.6~1.0%のカルシウムが含まれたペレットが推奨されています〔Lowe 1988〕。

粗繊維質20%以上、カルシウム0.5%前後のペレットが理想?

2-2水

●ウサギの飲水量は他の動物と比べて多いです〔Donnelly 1997〕。多飲によって軟便や下痢を起こすのであれば水分摂取を控えめにしてください。
●野菜を多給すると全く飲水しないこともあります。水を飲む量が不足すると、食べる量も減少し、尿路結石などの疾病が多発するので注意してください。
●給水器も壁掛け式の給水器とお皿で与える方法がありますが、多くが壁掛け式の給水器のボトルで飲みます。
ウサギ飲水

3ケア

●ケージの中に動物をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。
●動物が持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、動物はそれぞれ生息地に適応した体の特徴や生態を考えてください(KW:環境エンリッチメント)。ウサギの場合、群れる、物を齧る、穴に潜る(小屋やトンネルの中を潜り込む)あるいは地面を掘るという行動は3大習性です。

「群れる」「穴に潜る」「齧る」がポイント

●ウサギは群れる動物で、群れの中で社会生活序列を営み、個体同士のコミュニケーションをとることを好みます。
●群れの中の序列を飼い主との間に形成することもあり、飼い主さんを上位の者とみなすと従順で、下位の者とみなすと攻撃的になります。また、精神的なつながりを飼育者との間に築くことがある愛情深い動物です。一頭飼育の場合は、よくウサギとコミュニケーションをとってください。

あなたはウサギよりも上?それとも下?

●好奇心旺盛で、周囲を探索したり、興奮して走り回って跳躍します。最低の運動量は一概に定まっていません。ケージの外に放すことで運動量を増やすなどの策もとられています。運動と同時にコミュニケーションをとる時間とするとよいでしょう。
●その他のケアとして、換毛期においてのブラッシングと爪切りなどを行ってあげましょう。

3-1運動・コミュニケーション

●ケージから出して部屋の中に放す時間を設けるとよいですが、部屋の中で何でも齧られてしまいます。家具や電気コードなども齧って破壊されますので、必ず目の届く範囲で放すようにしてください。
●屋外でのウサギの散歩(うさんぽと呼ばれています)は慣れていないと積極的にしませんので、無理にしなくてもよいです。

●穴を掘って潜る習性があるため、小屋やトンネルなどを大変好みます。その穴を通りぬけるような遊びを繰りかえし、運動にもなります。
ウサギトンネル

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●玩具(おもちゃ)に興味を持つウサギも結構多いです。玩具はプラスチック製や金属製よりも、木や牧草で作られた物を好みます。牧草で編んだボールタイプの玩具などよいかもしれません。しかし、牧草で出来ている玩具類は噛じられてすぐに交換が必要になります。玩具は常においておくよりも、部屋の中で遊ぶ時だけとか短時間に与えないと飽きることがあります。
ウサギボール
●大きな箱やタライに木製のチップやシュレッターで細かくした紙片を大量にいれてあげると、その中で掘ったり、潜ったりもします。
ウサギ遊び  ウサギ遊び

ケージから出して遊べる時間を作っていますか?

●幼体から人に接触をしてないウサギは、触られること自体にも抵抗があり、馴れないウサギになりやすいです。
ウサギスキンシップ
●人に馴れたウサギは、ケージから出して欲しい、エサが欲しい時など、ケージを咬んで、要求のアピールをしてきます。ウサギに対してしつけは難しいですが、ケージから出して遊んだり、エサを与えるのを毎日決まった時間に行うとよいです。
退屈なウサギ

3-2齧り対策

●常生歯である前歯と奥歯は常に伸び続けるため、伸び過ぎないように齧る物を与えてください。特にウサギは、習性のために齧る動作が大好きです。プラスチックや金属製の製品でなく、齧り木や牧草で作られた玩具がよいです。特にケージの金網に取りつけられるような用品だと、ウサギは引っ張って齧りとることでストレス防止につながります。
  

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3-3換毛・ブラッシング

●ウサギの体臭は少なく、毛の管理は自らの毛づくろいに加えてブラッシングをしてあげるとよいでしょう。

●入浴やシャンプーの必要はありません。毛は細く密に生えているため、濡れるともつれを生じます。また、濡れた毛を乾燥させることも難しく、さらにウサギを入浴させることも過大なストレスになります。

3-4爪切り

●野生では爪を削る環境がありますが、飼育下では爪が伸びすぎることがあります。おとなしい性格であれば定期的に切ってあげましょう。

参考文献

■Besch EL,Brigmon RL.Laboratory Animal Science.41(1).p31-34.1991
■Brooks D.Nutrition and Gastrointestinal Physiology Rabbit.In Ferrets,Rabbits,and Rodents Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Quesenberry KE eds.p155-160.WB Saunders Company.Philadelphia.1977
■Buss SL,Bourdeau JE.Calcium balanace in laboratory rabbits.Miner Electrolyte Metab.10(2).p127-132.1984
■Chapin RE.Smith SE.The calcium requirement of growing rabbits.Journal of Animal Science26.67-71.1967
■Donnelly TM.Disease problems of small rodents.In Ferrets,Rabbits,and Rodents:Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Quesenberry KQ.eds.WB Saunders.Philadelphia.p307-327.1997
■Eveleigh JR.The Development of Rabbit,Guinea Pig and Mouse Cages.Animal Technology.38(2).p107-116.1988
■DIRECTIVE 2010/63/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 22 September 2010 on the protection of animals used for scientific purposes(科学的な目的のために使用される動物の保護に関する2010年9月22日の欧州議会及び理事会指令2010/63/EU(抄) (EUの実験動物保護指令)
■Gentz EJ,Carpenter JW.Neurologic and Musculoskeletal Disease Rabbit.In Ferrets,Rabbits,and Rodents Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Quesenberry KE.eds.WB Saunders. Philadelphia.p220-226.1997
■Hove E,Herndon JR.Growth of rabbits on purified diets.J.Nutr63.193-199.1975
■Lowe JA.Pet rabbit feeding and nutrition.In The Nutrition of the Rabbit.de Blas C,Wiseman J eds.CABI Publishing.1988
■大島浩二.ウサギ. 動物の栄養.唐澤豊編.p160-166.文永堂.東京.2001