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【ネズミ好きに伝えたい!マウス・ラットの飼育の4つのポイント】

アカデミックな裏付けによる4つのポイント!

①マウスの尿臭対策

②ファンシーラットの寂しがり対策

③安心する空間である小屋やトンネルの導入

④ファンシーラットのくしゃみ

●色々なサイトにマウスやファンシーラットの飼育の記事が書かれています。ほとんど内容は一緒ですよね。基本的にハムスターの飼育と同様で、体が小さいマウス、体が大きいファンシーラットのために、ケージの大きさなどを配慮するだけでよいです。ここでは細かいことを省略し、フォーカスを上記①~③に絞って専門獣医師が解説をします。その他の情報は以下を参照してください。

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①マウスの尿臭対策

●オスのマウスは尿の臭いがきついです。人が最も嫌う臭いで、死臭?腐敗した魚の臭い?という例えがよくされています。
●マウスはマーキングのためにケージのあちこちで排泄し、トイレのしつけも難いです。床敷の掃除も頻繁に行う必要があり、交換の手間やコストも考えて選ばないといけません。

おしっこが多いので掃除をこまめにしましょう

●ペットで飼育している人は、ケージにカバーをつける、床材を牧草にする、猫砂を床材に入れる、消臭剤を置くなどの対策を練っています。特に紙や木製チップを床敷に使用すると、臭いが倍増します。
●実験動物では尿のアンモニア濃度を減少させる床敷の比較がされており、最もアンモニア濃度が少ないのがコーンコブ、次いで順番に紙、硬木チップ、再生木材パルプ、パインチップ、ポプラチップという結果でした〔Perkins et al.1995〕。
●コーンコブとはトウモロコシの穂軸を切断して乾燥した粒状の床敷で、一つの粒に多くの小さな孔があいた蜂の巣構造をしており、粉塵が少なく、食べても安全な材質です。ペット用床敷て、「コーンベット」、「コーンチップ」という名前で販売されています。ケージ内で尿のアンモニア濃度が減ることで、匂いも軽減されますが、発情したり、個体差により、この尿臭は完全になくなるわけではありません。

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●コーンコブとはトウモロコシの穂軸を切断して乾燥した床敷で、一つの粒に多くの小さな孔があいた蜂の巣構造をしており、粉塵が少なく、食べても安全な材質です。ペット用にはコーンベット、コーンチップという名称で販売されています。
●ハムスター用の臭いをとるペレットを食べさせることも一方法ですが、あまり効果は期待できません。
●結論をいうと、床敷はコーンチップを使用する、頻繁な掃除、ケージの近くに消臭剤を置くことが最大の対策になります。

コーンチップ床敷を使い、掃除をこまめに、ケージの近くに消臭剤をおいてください

↑動物病院でも使われいる消臭剤(^^♪

②ファンシーラットの寂しがり対策

●野生のドブネズミは群れで飼育をしており、縄張り意識も低いという習性があります。ペットのファンシーラットも雌雄問わず多頭飼育が可能です。しかし、オスとメスを一緒にすると繁殖してしまいますので、注意してください。


●多頭飼育をする時は、同じ親から同時に産まれた、仲の良さそうなメス同士を迎えるのが無難でしょう。オス同士でもあまり喧嘩しませんが、メスよりは喧嘩をしやすいです。成熟前の若い個体ならば、同じ親から産まれてなくても大体仲良くできます。
●多頭飼育の利点は、ラット同士で遊んだり、毛繕いしたりと、コミュニケーションが取れ、仲間がいると安心感があります。
●多頭飼育の欠点は、個々の健康管理が見落としがちになります。また、やや飼い主に馴れなくなることもあります。
●単独で飼育する時は、ファンシーラットは社交性かあるため、積極的に人がコミュニケーションをとるようにしてください。人に馴れると信頼関係が築かれ、甘えてくるようになります。
●仲間同士にせよ、人にせよ、ファンシーラットは社交性が大切で、ストレス対策になります。ストレスフリーで飼育することが長生きの秘訣です。あなたの生活パターンで、多頭飼育か単独飼育にするのか決めてください。

ラットは仲間と暮らすか?人と仲良くするか?どっちか選んでください

③安心する空間である小屋やトンネルの提供

●実験動物のマウスやラットは今まで狭いケージで飼育されていました。しかし、現在はケージの大きささけでなく、回し車などで運動させることはもちろんのこと、巣箱や小屋、あるいはトンネルなどのシェルターを与えると、小屋の上に登ったり潜ったり、トンネルの中をくぐったりして運動量が増え、そしてストレスを減らす効果もあると分かってきました。

●マウスは小さくて非常に臆病ですが、学習能力が高く賢い動物です。気にいった玩具があれば、齧ったり、潜ったりします。ファンシーラットは、体が大きいので、体にあった巣箱や小屋、トンネルなどを提供しましょう。実験動物では以下のような報告があります。

↑↑↑ラットへのご褒美に(^^♪ 木の臭いでリラックス倍増!石製は夏は涼しいっす!

●シェルターを与えて飼育されると、ストレスが減り、人に馴れやすくなります〔Moon et al.2004〕。
●ストレスがたまると、エサを食べる量が減るだけでなく、繁殖活動も低下します〔佐藤ら1992〕
●驚くべき報告はマウスやラットは、人の男性の脇の下の匂いをかぐと、ストレスを感じるという報告があります〔Sorage et al.2014〕。個人的な意見ですが、これは性的に男性の優越的な支配を恐れるという、マウスやラットだけでなく、哺乳類全般にいえることだと思います。

わきがのあなた!注意してください!

●ストレスを解消する方法の一つが運動である報告も、実証されています〔柳田2015〕。実験動物でも数多くのストレス対策グッツとして小屋やトンネルが使われているんです!

④ファンシーラットのくしゃみ

●ファンシーラットは鼻炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症が特異的に多いです。肺炎で死亡することも少なくありません。
●温度管理をしっかりとし、初期治療がポイントになります。くしゃみや呼吸が早いなどの初期症状がみられたら、早急に動物病院で診察をうけるべきです。
●呼吸器感染症は空気感染するので、集団で飼育していると他のラットにも感染しますので、一頭のみがおかしい時点で早急に対応してください。

くしゃみ・呼吸がおかしい初期症状で治療しないとやばいです!

●長生きを目指すには、ぜひネズミドック(健康診断)を受けましょう。

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

 

参考文献
■Moon CP et al.To Enrich or Not to Enrich:Providing Shelter Does not Complicate Handling of Laboratory Mice.Contemp Top Lab Anim Sci 43(4).18-21.2004
■Perkins SE et al.Characterization and Quantification of  Microenvironmental Contaminants in Isolator Cages with a Variety of Contact Beddings.Contemporary Topics in Laboratory Animal  Science 34(3). 1995
■Sorage R et al.Olfactory exposure to males,including men,causes stress and related analgesia in rodents.Nature Methods11.629‐632.2014
■佐藤嘉一ら.心理的ストレス負荷ラットの性行動の研究.第1報 ストレス負荷による性行動変化の検討.日本泌尿器科学会雑誌83(2).205‐211.1992
■柳田信也.ラットを用いた日常的な自発運動量の個体差と運動によるストレス解消効果の関係性の解明.ストレス科学研究 30.178-179.2015