1. TOP
  2. 【ここだけの話し!カメをきちんと飼うのと長生きさせるのは違う?】

【ここだけの話し!カメをきちんと飼うのと長生きさせるのは違う?】

カメの顔

カメの飼状情報が氾濫しています。きちんと飼育させることが長生きさることではない?

●「鶴は千年、亀は万年」といわれていますが、カメは万年は生きません。しかし、ゾウガメなどの大きい種類のカメの寿命は長く、100年以上生きます。しかし、小さいカメほど寿命は短く10年ということもあります。
●実際に記録されている寿命は、アルダブラゾウガメの152年、ギリシャリクガメの149年、カ ロリナハコガメの138年、ヨーロッパヌマガメの120年という報告があります〔安川2006〕。

アルダブラゾウガメ
●皆さんが飼っている、イシガメ、クサガメ、アカミミガメ、ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメ、ホシガメなどは40年を目標にしたいです。
●カメは万年生きるという逸話もありますが、実際に長生きする動物なために、寿命が長い理由について研究が続けられ、主に以下の点がその理由と考えられています。

長生きする理由とは?

①新陳代謝がゆっくりなので細胞の老化が遅い

●消化も遅く、呼吸数も少なく、生活にか変わる行動や生理活動もゆっくりなので、それに比例して寿命も長くなっていると思われます。
●外気温動物といって、外部の環境温度で代謝が異なる特徴があります。代謝を早くしたい時は、暖かい環境に移動し、代謝を遅くしたい時は寒冷な環境に移動して、自ら調節できるのです。つまり、エサを食べて消化を早めたい時などは、カメは日光浴をして胃腸の動きを促進させます。したがって、夜に寝る前にエサを与えると、便秘を起こしやすくなるのです。

アルダブラゾウガメ

自ら体温を調節して代謝を調節します!

●長生きするカメの種類をみると、天敵が少ない環境で育っている場合が多く、慌てて行動する必要がないのです。ゾウガメなどは捕食される危険の少ないインド洋や太平洋などの島々において、独自に進化して大型化をたどりました。

② 冬眠だけでなく夏眠もしている

冬眠中はエネルギーの消費を抑えていますので、その分だけ細胞の老化が抑えられています。ヨツユビリクガメのように夏眠も行う種類もいます。
●Dr.ツルの個人的な意見ですが、やはり冬眠するカメは長寿の傾向にあります。しかし、ペットのカメに冬眠を積極的にさせるかは、永遠的な課題です。それは冬眠は幼体や病気のカメでは死亡する恐れがあるからです。

冬眠は細胞の老化を遅らせます

③ 生活が落ち着いてゆっくり行動する

●カメは他の爬虫類と比べて、行動がゆっくりしています。エサを食べるのも、動くのもゆっくりですし、慌ただしく動くようなことはまれです。その結果、エネルギーの消費量を低くしています。
クサガメ

長生きさせる飼育とは?

①温度勾配を設けた環境

②冬眠させる?

③急激な成長をさせない

●色々なサイトにカメの飼育の記事が多く書かれていますが、ここでは細かいことを省略し、フォーカスを上記①~③に絞って専門獣医師が解説をします。その他の情報は以下を参照してください。

カメの生態や特徴を知りたい人はこちら!

イシガメクサガメアカミミガメ

ギリシャリクガメヘルマンリクガメヨツユビリクガメホシガメ

イシガメ、クサガメ、アカミミガメのマニアックな飼い方、エサ、ケアの情報を知りたい人はコチラ!

ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメ、ホシガメのマニアックな飼い方、エサ、ケアの情報を知りたい人はコチラら!

カメの病気情報を知りたい人はコチラ!

カメのカラー下敷きをお求めの方はコチラ!

①温度勾配を設けた環境

●カメの飼育で温度管理をすることはいうまでもありません。ホットスポットを設けて自ら移動するスペースを作ってください。
●カメ自身が自分の体調をよく知っているはずです。自ら暖かい場所に移動しますので、飼い主は温度勾配のある環境を提供してあげましょう。
半水生のカメの飼育

温度勾配のある環境を作ってあげましょうる!

②冬眠させる?

冬眠することで細胞の代謝を遅らせて長生きさせることができます。しかし、熱帯に生息する種類は冬眠させる必要がありませんが、やはり日本の冬は寒くて温度が下がり、食欲が低下して活動量も落ちてきます。
カメ冬眠

●無理に冬眠させて失敗してカメが死んでしまうケースもよくあることが問題になっています。
●冬眠にチャレンジするならば、冬眠をする種類、最低でも2~3歳以上のカメ、病気でないカメ、そして飼い主にも冬眠させるための知識があることが必要です。冬眠させる前に健診を受けておくとよいでしょう(カメドック)。
●冬眠は単に温度を下げるだけでなく、冬眠させるま前からエサを少なくして胃腸を空にし、膀胱内の尿もからにしなければならないのです。
冬眠に耐えられるカメですか?あなたは冬眠させる知識を持ってますか?

冬眠についてはコチラ!

●2~3歳を越しても幼体のの冬眠は、まだ体力がないですが、50~60%以上は大丈夫です。しかし、この数字をどうとらえるかは、飼い主の考え方次第です。
●冬眠した方が長生きするというのは、あくまで理論上、経験的な考えからくる話です。将来的に正確な統計がとられて、100%冬眠しても大丈夫である方法が見つかることを期待しています。

③急激な成長をさせない

●カメのエサやりは基本的に1日1回で問題ありません。半水生のイシガメ、クサガメ、アカミミガメなどの雑食性の種類カならば、生体になったら週に1〜2回位はエサを抜く方がいいかもしれません。あまり、急な発育をさせることは本来のカメにはないことです。具体的には甲羅や骨が成長に追いつかずに曲がってしまうようなことはよくみられます。
●エサの量が多いことで、それに対して胃腸がついていけずに、消化管のうっ滞や便秘が多くみられます。
リクガメ採食

便秘の原因はエサの与えすぎと運動不足?

●カメの与えるエサの量は、以下のように書かれています。「1回に与えるエサの量は、雑食性のカメでは頭の大きさ程度が理想、草食性のカメでは野菜を食べるだけ与える」。これは経験に基づいた話しでか、カメの寿命とは無関係な話しです。
●ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ケヅメリクガメなどのリクガメは草食性です。カロリーが高くない野菜を食べており、毎日エサやりをするのが基本です。しかし、野生では食べても十分な運動をして、胃腸が活発に動くなど、ペットとは異なる環境です。
●庭などでの屋外飼育をしている草食性のカメをみていると、自ら動いて温度管理を行い、エサを食べる量を調整しています。野生のカメの環境に近いといえるでしょう。
カメ放し飼い
●ケージで飼育して運動量が少ないリクガメであれば、好きなだけエサを与えると、全てを消化しきれない可能性が高いです。例え全てを消化しても成長が早くなります。
●成長が早いことで、メスのカメの多くが早くに性成熟を迎えて、卵づまりや卵巣・卵管の病気で死んでいます。季節感のない飼育でホルモン失調を起こしているのも理由の一つかもしれません。
カメ卵胞

成長が早いと体がついていけない?

季節感飼育

●季節感を味わってもらい、それにあわせてエサの量・与えるタイミングを変える方法もあります。
●冬眠をさせすに長生きさせることも、以下の方法であれば理論的に可能です。
●温度管理だけでなく、季節に合わせてエサを与える方法を変えるのです。

春はだんだんと暖かくなってくる季節です

●温度管理をしていていも、外気温も高くなると、カメも体温が自然に上がってきます。暖かくなるにつれて活発に動くようになり、エサを探すような仕草や行動ががみら、エサを食べる量が増していきます。
●最も気温があがる昼過ぎに、エサを与えましょう。冬の寒さから解放されたこともあり、とても食欲旺盛なはずです。
●しっかりと運動させれば、少し多いくらいのエサを与えても大丈夫です。

とても蒸し暑い夏

●あまりに気温が暑くなり、湿度も高くなってきます。暑いと必然的にカメの活動量も低下してきます。
●カメに与えるエサの量は、春と同じでよいのですが、与えるタイミングとしては、真昼よりも温度が高くない午前中にしてください。

少し涼しくなりかけた秋

●秋になると、涼しくなってきますが、温度が下がるためにカメの活動量が低下してきます。したがってエサを与える量は、春や夏より少し少なめにしてください。
●エサを与えるタイミングは、昼前後の気温が高い時間帯がベルトになります。

寒い冬

●温度管理をしっかりと行い、ゲージ内や水温を一定の温度にしているなら、カメは活発に動くかもしれません。それでも冬になると活動量とエサを食べる量が減りませんか?カメも体内時計で季節感を感じているのかもしれませんね。
●冬のカメの活動量と食欲の低下の時は、代謝が低下していますので、エサの量を減らしてよいです。少し怖いかもしれません、見守って下さい。心配であれば動物病院で受診をしましょう。病気で弱っていることもあります。

衰弱したカメ

長生きを目指すには、ぜひカメドック(健康診断)を受けましょう!

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

参考文献
■安川雄一郎.ゾウガメと呼ばれるリクガメ類の分類と自然史(後編).クリーパー33.p16-29.32.クリー パー社.東京.2006