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牧草(哺乳類)

概要

●牧草は繊維質が豊富に含まれているエサで、ウサギ、モルモット、デグー、チンチラ、プレーリードッグやジリスなどの草食動物の主食になります。牧草が少ないと消化管の蠕動が悪くなり、体調に影響します。
●多くの種類の牧草がありますが、また刈り取る時期により区分けされています。それぞれに特徴があるため、動物種や体長、嗜好性などを考えて与えましょう。
●小動物用に生牧草と乾牧草が販売されています。
●生牧草には豊富なビタミンAが含まれていますが、これらを乾燥させて乾牧草になります。青刈りの生牧草の水分含有量は65~85%ですが、乾牧草は15~20%です〔須藤 1981〕。ビタミンAが多い生牧草は粘膜を強くし、呼吸器、腸粘膜の免疫力を上げます。くしゃみが多い、軟便が多い動物に適しています。

生牧草は水分補給、くしゃみ・鼻水対策、軟便予防になる美味しい牧草です

●牧草を自然乾燥(天日干し)であれば、ビタミンDが多く含まれるようになります〔須藤1981〕。ビタミンDは骨を強くする役目をもっています。

●ワラは種実を脱殻して取り去った後の牧草の茎と葉よりなる完全に乾燥したもので、繊維質は最も高いですが、栄養価は低く〔須藤 1981〕、嗜好性も悪いことから床敷などに使われることが多いです。

ワラは骨を強くしますが、美味しくない牧草です

●牧草は床敷や玩具の素材としても使用されることもあります。動物はエサといておいてある牧草よりも、床敷や玩具の牧草を齧ったり、引っ張って食べる習性がみられます。牧草ラックに入れて引っ張って食べさせたり、牧草でできた玩具も崩壊させて遊びながら口にしますので、ストレス予防にもなります。
    

ベットもオモチャも牧草にしましょう

●牧草の欠点は長期保管に難点があります。腐敗したり、虫がついたりすることもあるため、可能な限り新鮮であるものを与えましょう。

種類

●牧草の種類は、主にマメ科とイネ科の2種類が流通しています。
●マメ科の牧草は粗タンパクとカルシウムが豊富で〔須藤 1981〕、成長期の動物(幼体)に適しており、嗜好性も優れています。
●イネ科の牧草ははマメ科と比較して、粗タンパクとカルシウムの含有量は低いですが、粗繊維は高く、嗜好性はやや劣ります〔須藤 1981〕。イネ科の牧草は維持期(成体)、あるいは減量、カルシウムの摂取を制限して尿路結石の予防に適しています。
●いずれの牧草も粗繊維が豊富であり、牧草は歯の擦りあわせを促進し(不正咬合の予防)、消化管の動きを調節します(腸炎、消化管のうっ滞、毛球症の予防)。
表:牧草の成分比較

牧草 粗繊維 粗タンパク カルシウム 嗜好性 対象
マメ科 成長期

妊娠期

イネ科 維持期

減量

幼体はマメ科、成体はイネ科

マメ科(アルファルファ、クローバーなど)

●粗タンパクが高く、開花期の初めに刈り取ったものは20%以上になります〔須藤 1981〕。

アルファルファ

●アルファルファは栄養的に万能な牧草です。イネ科の牧草よりも多く含まれている粗タンパクは、吸収性も優れています。カルシウムとカリウム、ビタミンAも豊富でありながら、嗜好性も高いです。しかし、アルファルファをはじめとるすマメ科植物を多く食べたウサギでは、尿の色を濃くしたり、有色化することがありますが〔Cheeke et al.1987〕、病気の原因にはなりませんので安心してください。
  

最初の牧草はアルファルファ

クローバー

●クローバーは栄養的にアルファルファに似ています。クローバーも生牧草や乾草ともに、アルファルファに負けず、嗜好性が高いです。シロツメクサ(白クローバー)、ムラサキツメクサ(赤クローバー)などは川の土手や田んぼのあぜ道に生えています。

イネ科(チモシー、イタリアングラス、オーチャードグラスなど)

●イネ科の牧草はマメ科よりも葉や茎は堅い特徴があります。そして、生育時期、その他に環境により栄養価が変動しやすい欠点があります。
●マメ科の牧草と比べて、高繊維、低カルシウムであるため、繊維質を必要とする消化器疾患、あるいは痩せさせたい時のエサとして適しています。
●カルシウムが少ないため、尿路結石や腎不全を懸念する動物のエサの主食になります。

チモシー

●チモシーは最も使われている牧草です。1番刈りと2番刈りというのがみられますが、これは刈り取り時期の違いです。1番刈りは春~初夏にかけて最初に刈り取られたもので、大きな穂と太い茎、しっかりとした長い葉が特徴です。2番刈りは1番刈りが刈り取られた後に再び生えてきて、晩夏~秋に刈り取られたもので、穂はほとんど無く、細い茎と柔らかい葉が特徴です。また、冬の初めに刈り取られたものは3番牧草と呼ばれています。
●1番刈りは特に繊維質が豊富で、栄養価が高く、流通量が多いです。2番刈りは柔らかくて食べやすいため、離乳したての幼体、病中病後、歯の悪い動物に適しています。

主食のチモシーは何番刈りがお好みですか?

グラス

●グラスはアルファルファとクローバーのようなマメ科の植物より栄養価は多少低くなります。粗タンパクとカルシウム、ビタミン類が低い傾向にあります。
●イタリアンライグラス、オーチャードグラス、バミューダグラス、スーダングラスなどが販売されています。

イタリアンライグラス

●イネ科の王様とも呼ばれる綺麗な牧草です。ほのかな甘みがありますので、チモシーを食べない場合に、少し混ぜて与えるとよいかもしれません。

オーチャードグラス

●穂や葉が多い牧草です。香りが強いために、好みの差が激しいです。

グラスはちょい足し牧草

参考文献
■Cheeke PR.Digestive Physiology. Chapter 3 in Rabbit Feeding and Nutrition. Orlando: Academic Press.1987
■ 須藤浩. 飼料講義. 養賢堂. 東京. 1981