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ハムスターの飼育

Hamster

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1分類・生態

●ハムスターには数種類が存在し、その一部がペットとして飼育されています。大人から子供までが飼育しているかわいい動物です。
ハムスター ハムスターと子供

1-1分類

ネズミ目(げっ歯目)キヌゲネズミ科

1-2分布

ヨーロッパからアジアの乾燥地帯や半乾燥地帯

1-3生態

環境:半乾燥地帯~草原の寒暖差が厳しい地域
行動
・過酷な環境のために、温度が一定に保たれる地下に巣を作って生活をしています。寒冷期は巣に籠り、冬眠する種類もいます。
・夜行性で、昼は巣の中で休み、夕方頃から活動を始めます。
・巣穴の中には、寝室、食料貯蔵庫、トイレを設けています。
・食料を蓄える貯蔵行動もみられます。
食性:草食に近い雑食性 で、植物の葉、茎、根、実や種子、時に昆虫などを食べています。
寿命:約2年

地下に住んでいます

野生のゴールデンハムスターの巣穴 http://hamsterhideout.com/forum/topic/123715-natural-tunnel-system-sand-habitat/

2種類

●ペットではゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスター、チャイニーズハムスターが飼育され、過去にはクロハラハムスターも流通していました。
●ドワーフハムスターとは、ジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスターなどの小型の種類の総称です。
表:分類

ネズミ目
(げっ歯目)
キヌゲ
ネズミ亜科
ゴールデンハムスター属 ゴールデンハムスター
ヒメキヌゲネズミ属 ジャンガリアンハムスター
キャンベルハムスター
ロボロフスキーハムスター
キヌゲネズミ属 チャイニーズハムスター
クロハラハムスター属 クロハラハムスター


2-1ゴールデンハムスター(シリアンハムスター)

●俗にいうハムスターはゴールデンハムスターを指す場合が多く、実験動物ではシリアンハムスターと呼ばれています。
●ゴールデンハムスターは両手に乗るくらいの中型のハムスターです。
●人に馴れやすく、扱いやすい種類です。興奮させなければ、噛むことはありません。
ゴールデンハムスター
ゴールデンは優しいハムスター

学名:Mesocricetus auratus
英名:Golden hamster,Syrian hamster
別名:シリアンハムスター
分布:シリア、レバノン、イスラエル
ゴールデンハムスター分布
身体
・頭胴長:16.0~18.5cm
・尾長:2.10~2.85cm
・体重:130~210g(一般的にオスよりもメスの方が大きくなります)
品種
●ゴールデンハムスターは毛色と毛の長さ・毛質によって品種が分けられています。
●流通している多くが毛が短い短毛種ですが、長い毛を持った長毛種も人気があます。
●光沢のある毛や縮れた毛のような毛質を持ったハムスターもおり、それぞれの毛色に毛の長さや毛質の組み合わせで、たくさんの品種が作られています。
ゴールデンハムスターカラー

ノーマル(ゴールデン)

野生色で、背中は茶色、お腹は白色を帯びています。両頬に走る黒色の線(チークフラッシュ:Cheek flash)が入り、その上下にある三日月型の白色の模様(クレセント:Crescent)が特徴です。目は黒目で、耳は灰色~黒色をしています。
ゴールデンハムスターノーマル  ゴールデンハムスターノーマル

クリーム

全身がクリーム色~やや茶色を帯びたオレンジ色の一色で、チークフラッシュやクレセントなどの模様はありません。目は黒目で、耳は灰色~黒色をしています。一般的に幼体期は体色が淡く、成長につれて濃くなっていく傾向があり、毛色の幅は多様です。毛色が金色で、顔立ちがクマに似ているために、キンクマハムスターと呼ばれています。ゴールデンハムスターの中でも特に大人しい性格をしています。
ゴールデンハムスタークリーム  ゴールデンハムスタークリームとノーマル

シナモン

ノーマルを明るくした感じで、背中は明るいオレンジ色~赤茶色、お腹は白色を帯びています。チークフラッシュは灰色~アイボリー色です。赤目やブドウ目をしており、耳の色も薄くなっています。成長につれて、体色が濃くなる傾向にあります。

ゴールデンハムスターシナモン

アンブロウス

アンブロウスは遺伝子的に本来の毛色を暗くする働きがあります。ノーマルのアンブロウスでは、写真のように焦げ茶色や黒褐色が多く入った毛色になります。
ゴールデンハムスターアンブロウス

ブラック

全身が青色や茶色を帯びた黒色をしていますが、多くは手足や喉元に白色が入ります。目も黒目です。
ゴールデンハムスターブラック  ゴールデンハムスターブラック

グレー

グレーには、シルバーグレー、ライトグレー、ダークグレーの3種類が存在し、シルバーと呼ばれることもあります。ライトグレーでは、背中は明灰色~薄茶色を帯びた灰色(クリーム色)で、お腹は白色を帯びています。目は黒目で、耳は暗灰色をしています。顔の鼻色を中心にクリーム色にぼけてみえるのも特徴です。なお、ライトグレーは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
ゴールデンハムスターグレー  ゴールデンハムスターグレー

ホワイト

全身は白色で、時に所々に薄茶色の色が入っています。目は黒目です。。
ゴールデンハムスターホワイト  ゴールデンハムスターホワイト

アルビノ

アルビノは黒色色素が抜けているため、全身の毛色が白色になり、赤目をしています。しかし、ゴールデンハムスターでは完全なアルビノは存在せず、一部に色がついたり、薄い色が残っています。耳が灰色のダークイアード・ホワイト(Dark eared white)、耳がピンク色のフレッシュイアード・ホワイト(Flesh eard white)などが流通しています。

ゴールデンハムスターダークイアードホワイト

ダークイアード・ホワイト

ドミナント・スポット

まだら模様のあるものを総称してドミナント・スポットと呼びます。まだら模様は茶褐色系やベージュ系などの色で、大きさも様々ですが、白色に黒色の斑があるものをダルメシアンと呼んで区別することもあります。頭から目の上にかけて、色が入っているタイプ(鉢割れ)も多く、お腹は白色です。なお、ドミナント・スポットは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
ゴールデンハムスタードミナントスポット  ゴールデンハムスタードミナントスポット

ダルメシアン

犬のダルメシアンのような模様をしており、体色は白色で、規則的で細かい斑模様が入りますが、お腹は斑模様を欠いて白色です。なお、ダルメシアンは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
ゴールデンハムスターダルメシアン  ゴールデンハムスターダルメシアン

ローン

ローンとは葦毛(あしげ)という意味で、体色は元の毛色に白色の葦毛が入ります。葦毛の入る程度には個体差があり、白色に近いものから、元の毛色がかなり残っているものなど様々です。

バンデット

一般的に流通している毛色で、背中に白色の帯状の模様が入り、腹巻をしているようにみえます。腹巻の模様の形状や大きさは様々です。茶褐色に白色の腹巻模様が入ったタイプが大量に流通しているため、これをノーマルと呼ぶこともあります。
ゴールデンハムスターバンデッド  ゴールデンハムスターバンデッド  ゴールデンハムスターバンデッド

ト-ティシェル

三毛の模様のもとになる2色のモザイク模様です。これに白斑が組み合わさると、いわゆるトリコロールと呼ばれる三毛になります。

ゴールデンハムスタートリコロール

トリコロール

ロングヘア―(長毛種)

長毛の毛の長さには個体差と性差があります。全体的に長くなるだけでなく、部分的に伸びることもあります。一般的に、オスの方がメスよりも長くなります。メスはその中途半端な長さゆえに、日本では呼称として中毛と呼ばれることがあります。長毛種は、その外貌からテディ―ベアーハムスター(Teddy bear hamster)と呼ばれます。また、長毛種は毛繕いした毛を飲みこんで消化管閉塞を起こす確率が、短毛種よりも高くなります。
ゴールデンハムスターロングヘアー  ゴールデンハムスターロングヘアー

サテン

光沢のある毛で、毛色がより鮮やかにみえます。各品種にサテンがいます。なお、サテンは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
ゴールデンハムスターサテン  ゴールデンハムスターサテン

レックス

毛が縮れていたり、巻いたりしてウェーブがかかっています。各品種にレックスがいます。ヒゲもカールしていることもあります。
ゴールデンハムスターレックス  ゴールデンハムスターレックス

2-2ジャンガリアンハムスター

●ゴールデンハムスターよりも一回り小さく、機敏な動きをする小型のハムスターです。
ジャンガリアンハムスター
●背中に1本の線が入り、手足の裏の毛が長いことが特徴で、 Striped hairy-footed hamster(セスジケアシハムスター)という名前の由来になっています。
ジャンガリアンハムスター背中  ジャンガリアンハムスター足裏の毛
●特にジャンガリアンハムスターは、毛色による俗称で販売されていることが多いです。
●性格はマイペースで、気性が現れやすいです。扱い方を間違わなければ馴れますが、怒るとすぐに噛んできます。
●現在、ジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターの分類学的な論争が行われており、別種としての分類が疑問視され、同種として Phodopus sungorus に統一されたり、亜種としての分類も唱えられています〔Cantrell et al.1987〕。

ジャンガリアンはわがままなハムスター

学名:Phodopus sungorus
英名:Striped hairy-footed hamster, Dzungarian hamster,Djungarian hamster, Zungarian hamster,Russian hamster,Winter white hamster(※)
別名:ヒメキヌゲネズミ、ロシアンハムスター、ウインターホワイトハムスター(※)
分布:カザフスタン東部、シベリア南西部
ジャンガリアンハムスター分布地図
身体
・頭胴長:オス7.0~12.0cm、メス6.0~11.0cm
・尾長:0.7~1.0cm
・体重:オス35~45g、メス30~40g
※夏毛から冬毛に換毛する際に、毛色が白色に変色することが多いため、 ウインターホワイトハムスター(Winter white hamster)とも呼ばれています。日本の気候では冬毛にならないジャンガリアンも多く、中には部分的(腰の周囲)だけが冬毛になるものもいます。しかし、ペットではあまり白色になることはありません。
ウインターホワイトハムスター  ジャンガリアンハムスター換毛
品種
ジャンガリアンハムスターは毛色や模様によって品種が分けられています。主な品種を紹介します。

ノーマル

背中は灰褐色で、額から臀部にかけて明瞭な黒色の1本の線模様(ストライプ)が入っています。お腹は白色を帯びて、黒目であるのが特徴です。
ジャンガリアンハムスターノーマル  ジャンガリアンハムスターノーマル

サファイア

ノーマルの灰褐色の毛色とストライプが薄くなった毛色です。青灰色を帯びた毛色はサファイアブルーとも呼ばれ、人気が高い品種です。
ジャンガリアンハムスターサファイア

パール

白色系の毛色で、黒目をしています。毛の根本より白色に変色したものですが、元々の毛色が毛先に残っていることもあります。この中でも全身が白色で背中のストライプが残るものをパールホワイト、純白でストライプを欠いたものをスノーホワイトと呼びます。なお、パールやスノーホワイトは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。そして、パールは遺伝的に斜頸(首をかしげる症状)や旋回(グルグルと同じ方向に回る)などの神経症状がみられることがあります。

ジャンガリアンハムスターパールホワイト

パールホワイト

プディング(イエロー)

薄茶色の毛色で、背中の線も茶色を帯びています。遺伝的に肥満になりやすく、糖尿病になりやすいです〔Meier et al.1959〕。なお、プディングは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
ジャンガリアンハムスタープディング  ジャンガリアンハムスタープディング

パイド

パイドは白色のまだら模様が入ったもので、様々な毛色にみられます。
ジャンガリアンハムスターパイド

ブラック

全身が黒色ですが、キャンベルハムスターのブラックが間違えてジャンガリアンとして流通している可能性もあり、ジャンガリアンとキャンベルの交雑種ともいわれていますが、詳細は不明です。
ジャンガリアンハムスターブラック

2-3キャンベルハムスター

●ジャンガリアンハムスターと外見上の鑑別が難しく、ジャンガリアンハムスターと比べて、足の裏の毛が薄い、背中の線が細い、耳が尖って 広い、太い尾などの特徴で鑑別します。
キャンベルハムスター背中
●ジャンガリアンハムスターには赤目やブドウ目はいませんが、キャンベルハムスターでは、黒目、赤目、ブドウ目の全ての色がいます。
●性格がきついものが多く、特に白色やクリーム色系は噛み癖があります。
●キャンベルハムスターは遺伝的に糖尿病になりやすいです。
●人にはやや馴れにくいのですが、欧米での人気はジャンガリアンハムスターをしのぎます。

キャンベルは海外で人気のあるハムスター

学名:Phodopus campbelli
英名:Cambell’s dwarf hamster
別名:キャンベルキヌゲネズミ
分布:ロシア(バイカル湖沿岸東側)、モンゴル、内モンゴル自治区(内蒙古)、中国の新疆維吾爾自治区

身体
・頭胴長:オス7.0~12.0cm、メス6.0~11.0cm
・尾長:0.7~1.0cm
・体重:オス35~45g、メス30~40g

品種
●キャンベルハムスターは毛色と毛の長さ・毛質によって品種が分けられています。
●流通している多くが毛が短い短毛種ですが、長い毛を持った長毛種もいます。光沢のある毛や縮れた毛のような毛質を持ったハムスターもおり、それぞれの毛色に毛の長さや毛質の組み合わせで、たくさんの品種が作られています。

ノーマル

背中は灰褐色系で茶色の毛が強く入り、お腹側は白色を帯びています。目は黒目で、耳は暗灰色です。背中にはジャンガリアンハムスターと同様に1本の線模様(ストライプ)が走行しています。脇腹に背中とお腹の色の境目部分にクリーム色のアーチ状模様が入り、この部分の形状をホタテ貝になぞらえてスカラップ(Scallop)と呼ぶこともあります。

アージェント

アルビノイエローとも呼ばれるアルビの一種です。背中はレモンイエロー~オレンジ色で、背中のストライプは茶色を帯びた灰色です。お腹は白色を帯びています。目は赤目で、耳は肌色です。アージェント(Argente)は、フランス語で、銀食器もしくは銀メッキを意味します。
キャンベルハムスターアージェント  キャンベルハムスターアージェント

シャンパン

明るい茶色を帯びた灰褐色、お腹は白色を帯びています。
キャンベルハムスターシャンパン

オパール

オパールはジャンガリアンハムスターのサファイアに相当する毛色とされ、より茶色を帯びて薄い色にみえます。黒目で、耳は灰色です。
キャンベルハムスターオパール

アルビノ

黒色色素を欠くために、全身が白色で、赤目をしています。
キャンベルハムスターアルビノ

ブラック

全身が黒色ですが、黒色の濃淡の幅は広く、濃灰色~漆黒と多様です。多くは手足やのど元に白色が入ります。

キャンベルハムスターブラック

パイド

パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色にみられます。なお、パイドは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。
キャンベルハムスターパイド

2-4ロボロフスキーハムスター

●頭部が大きく、2頭身の外貌をしています。
●ハムスターの中で最も小さい種類で、敏捷性に優れ、素早く動きます。
●性格は怖がりな性格で、人には馴れません。噛み癖はないのですが、動きが早いので、飼いなれていない人には扱いにくく、すばしっこくて持てません。
ロボロススキーハムスター 

学名:Phodopus roborovskii
英名:Roborovskii dwarf hamster
別名:ロボロフスキーヒメキヌゲネズミ
分布:ロシアのツバ自治共和国、カザフスタ ン東部、モンゴル西部および南部、隣接する中国の新疆維吾爾自治区北部

身体
・頭胴長:7.0〜10.0cm
・尾長:0.7〜1.0cm
・体重:15〜30g

品種
ロボロフスキーハムスターは毛色によって品種が分けられています。主な品種を紹介します。

ノーマル

背中は茶褐色~灰色で、ストライプの線はみられません。上まぶたに眉毛のような白い模様が特徴で、おじいさんのような顔つきをしています。お腹は白色を帯びています。ロボロフスキーハムスターは全てが黒目です。
ロボロフスキーハムスターノーマル  ロボロフスキーハムスターノーマル

ロボロフスキーは小さくておじいさん顔のハムスター

スーパーホワイト

全身が白色で、頭や背中に茶色の差し毛がみられます。
ロボロフスキーハムスタースーパーホワイト

ホワイトフェイス

体はノーマルと同じで、顔だけが白色です。そのために、とてもかわいくみえるのが特徴です。
ロボロフスキーハムスターホワイトフェイス  ロボロフスキーハムスターホワイトフェイス

アルビノ

黒色色素を欠くために、全身が白色で、目は赤目です。

パイド

パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色にみられます。なお、パイドは劣性致死遺伝子を持っています(キーワード:劣性致死遺伝子)。

2-5チャイニーズハムスター

●他のハムスターと比べて細くて長い体と長い尾が特徴で、ネズミのような外貌をしています。
チャイニーズハムスター  チャイニーズハムスター
●性格は人懐っこくて、とても扱いやすい種類です。
●長い尾のためにバランス感覚がよく、高いところにも上れるために、脱走や落下に注意してください。
●成熟したオスの精巣は発達し、陰嚢がとても大きくなりますので、驚かないでください。
チャイニーズハムスターのオスの陰嚢  チャイニーズハムスターのオスの陰嚢

チャイニーズはネズミのようなハムスター

学名:Cricetulus griseus
英名:Chinese rat-like hamster,Striped-back hamster,Grey hamster
別名:モンゴルキヌゲネズミ、モンゴルハムスター
分布:中国北西部、内モンゴル自治区
チャイニーズハムスター分布地図
身体
・頭胴長:オス11.0〜12.0cm、メス9.0〜11.0cm
・尾長:2.8〜3.1cm
・体重:オス35〜40g、メス30〜35g

品種
●チャイニーズハムスターは毛色によって品種が分けられていますが、あまり品種の数は多くはありません。

ノーマル

背中は灰色〜茶色で、1本のストライプがみられます。お側は白色を帯びています。
チャイニーズハムスターノーマル

シルバー

ノーマルよりも体色が薄く、白色を帯びた灰色の毛色です。

ホワイト

全身が白色で、目は黒目です。

パイド

パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色にみられます。

2-6クロハラハムスター

●ハムスターの最大種で、気が強くて人には馴れません。
●昔から実験動物として知られていますが、日本では過去に数年間だけ、ペットとして流通しただけです。
●ハムスターの中では長寿で、3~4年以上生きます。
クロハラハムスター

クロハラは大きくて狂暴なハムスター

学名:Cricetus cricetus
英名:Common hamster,Black-bellied hamster,European hamster
別名:ヨーロッパハムスター
分布:ベルギー、ヨーロッパ中部、ロシアのシベリア地方、カザフ地方北部からエニセイ川流域とアルタイ地方および中国の新疆維吾爾自治区
クロハラハムスター分布地図
身体
・頭胴長:20.0〜34.0cm
・尾長:4.0〜6.0cm
・体重:100〜900g

品種
●クロハラハムスターは毛色によって品種が分けられていますが、あまり品種の数は多くはありません。

ノーマル

背中は茶褐色、お腹は黒色、頬、鼻、 足、脇腹は白色を帯びています。
クロハラハムスター背中  クロハラハムスターお腹

ホワイト

全身が白色で、目は黒目です。

バイド

パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色にみられます。

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3特徴

3-1習性

●夜行性で、捕食者を避けて明け方と夕方に餌を探すために巣穴から出てきて活動を開始します。昼間は14時間位寝ていて、時々トイレに起きてくる程度です。触っても起きないくらい熟睡するハムスターもいます。
●運動量は豊富で、1日に7〜13時間も歩行し、移動距離は11.5〜21.1㎞にも及びます〔奥木1972〕。
ゴールデンハムスター

三大習性は「巣穴を掘る」「エサを蓄える」「齧る」

●床敷に潜ったり、あるいは床敷の材料を使って巣をつくる(営巣)のが大好きです。床敷を使って巧みに巣を作る習性があります。巣穴の代わりになる巣箱や小屋の中にも好んで潜りこみます。

ハムスター営巣 

巣穴に潜るの大好きです

●エサは頬袋に収容して巣に持ち帰り、貯わえる習性(貯蔵行動)があります。ハムスターはエサを巣穴に貯えることで安心するようです。しかし、巣に貯わえたエサは全てを食べることはないので、肥満になることはありません。巣穴や小屋の中のエサが腐っていないか、定期的に確認してあげてください。
ハムスター頬袋  クロハラハムスター頬袋

頬袋にエサを入れてため込むかわいい奴

●綺麗好きな性格で、自ら積極的に毛づくろいをします。前足や口を使って、体全体の毛を綺麗にします。

●冬は活動を休止し、ゴールデンハムスターでは約5℃(±2℃)の低温環境になると、巣で冬眠します〔米田 1991〕。
●低温以外に短日、食物や水の欠乏も冬眠の引き金になるため、注意してください〔Hoffman et al.1965〕。

ハムスターは冬眠します

●一般的にハムスターの性格は穏やかで、通常は鳴くことはありません。興奮や闘争の際には、「キーキー」、「チッチッ」 と声を出します。さらに反抗すると仰向けの姿勢になって、口をあけて「ギーギー」」と甲高い声をあげます(威嚇反応) 〔Bauck et al.1997〕。


●メスはオスよりも気が強く、身体も大きくなり、 攻撃的な性格をしています。
ハムスター喧嘩
ハムスターは女性が強い

3-2身体構造

●太い首、寸胴な体幹、短い尾をしています。なお、ドワーフハムスターの尾はゴールデンハムスターと比較してやや長く、特にチャイニーズハムスターはハムスターの中で最も長く、バランス感覚がよく、物をつかむようなこともできます。
ゴールデンハムスター全体像

ハムスターはもぐらみたいな体型

●歯は前歯と奥歯があり、全部で16本です。特に前歯は大きくて鋭く、硬いものもかじります。前歯は常生歯で (キーワード:常生歯)、生涯にわたり伸び続けますが、奥歯は伸びません。前歯の表面は黄褐色をしていますが、これは虫歯ではなく、体内のミネラルが沈着しているからです。
ハムスター前歯
●口の中に左右に頬袋を持っています。エサをみつけると、頬袋に貯め込んでおく習性があり、顔が大きくなったようにみえます。頬袋の中でエサが腐り、頬袋脱の原因にもなり得るため、時々確認してあげてください。
ハムスター頬袋  

ハムスター頬袋

●縄張りを示すマーキングやオスがメスに対する求愛の際に、匂いを発する臭腺があります。
●ゴールデンハムスターの臭腺は、両側の腰に直径3mm位の暗褐色~黒色の班のとして確認できます。分泌物により臭腺の周りの毛が濡れていることがあります。

ゴールデンハムスター臭腺  ゴールデンハムスター臭腺

●ジャンガリアンハムスターやキャンベルハムスターでは、腹の真ん中にくぼんだ臭腺があり、茶褐色の分泌物がたまっています。そして、左右の口の脇に小さい白色の臭腺もみられ、この臭腺は威嚇反応の際に、人が不快と感じる臭いを発します。
ジャンガリアンハムスター臭腺

●臭腺は男性ホルモンが支配しているために、オスのほうが発達しています〔Stoddart 1976〕。

臭腺の位置は覚えてください

●前足の指は、第1指は退化しているため、4本ですが、人のようにエサを持つことかできます。後足の指は5本あり、前足よりやや大きいです。

ハムスター前足

前足

ハムスター後足

後足

 

 

 

 

 

 

●消化管は複胃および大きな盲腸が特徴です。
●胃は発酵機能をもつ前胃と化学的消化機能をもつ後胃の2つに分かれ、基本的に吐くことはできません〔Longley 2008〕。

ハムスターの胃は2つあり、吐くことができません

●視力はあまりよくありませんが、聴覚が優れており、仲間と超音波でコミュニケーションをとっています。
ハムスター

3-4繁殖・生殖器

●雌雄は生殖孔と肛門の距離がオスはメスと比較して長いことで鑑別します。成熟したオスは精巣が大きくなり、陰囊が膨らむことで容易に判断できます。特にゴールデンハムスターのオスでは腰の臭腺が目立ち、膨らんだ陰嚢を確認することで、容易に鑑別ができます。
●オスは成熟後も鼠径輪(そけいりん)が開いているために、陰嚢が膨らんでみえない時がありますので、注意してください (キーワード:鼠径輪)。

ハムスターのオスとメス背中

オスとメス(背中)

ハムスターのオスとメスお腹

オスとメス(お腹)

 

 

 

 

 

 

ハムスターのオスの陰嚢

オスの陰嚢

ハムスターメスの陰部

メスの陰部

●同じ種類のハムスターでなければ、増やすことはできません。ジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターは交雑種もできますが、遺伝的に弱いハムスターが生まれてくるので、極力避けてください。
●ハムスターは1年中いつでも繁殖することが可能です。
●繁殖の際にはオスとメスを各1頭ずつにさせますが、雌雄での相性の選択が難しく、相性が悪ければすぐにケンカが始まります。メスにオスを引き合わせるには、まず発情しているメスにオスを入れます。
●発情したオスは興奮して活発に動き回り、臭腺の臭いでメスを引きよせるために、さかんに腰をケージにこすりつける行動がみられます。メスを同じケージに入れると陰部の匂いをかいで、交尾をせまります。
ハムスター求愛
●メスは4~5日間で繰りかえして発情し、そわそわと歩き回りますが、オスほどではありません。なお、メスは排卵した後に陰部から黄白色の膿性物質が分泌されますが〔Bivin et al.1987〕、これを膿と間違わないように注意してください。しかし、多くのハムスターがこれを舐めてしまうため、気づくことはまれです。
ハムスター陰部からの悪露
●交尾は20〜60分間行われますが〔Lipman et al.1996〕、交尾の成功の確認は、メスの陰部に膣栓がついているか否かで判定できます (キーワード:膣栓)。
ハムスター交尾
●新生子は未熟な状態の赤子で、目も耳も開いておらず、体温調節もできません。
●ゴールデンハムスターは7〜10日齢で野菜や種子などの固形物を食べ始め〔Balk et al.1987〕、約21日齢で離乳します〔Poiley1972〕。
ハムスター子供  ハムスター子供  ハムスター子供  ハムスター子供

●妊娠したメスは神経質になり、気が荒くなるため、咬まれないように注意してください。
●出産後もス トレスを与えると、子食い(食殺)をする例が多いため、出産したら、掃除や床敷の交換なども最小限にしましょう。
ハムスター子食い
表:繁殖知識〔Whittaker 2010〕

項目 ゴールデンハムスター ジャンガリアンハムスター チャイニーズハムスター
性成熟 45-60 日齢 45-60 日齢 48-100日齢
発情形式 周年繁殖

発情周期:4-5日

周年繁殖

発情周期:4-5日

周年繁殖

発情周期:4-5日

妊娠期間 約16日 約18日 約21日
産子数 約6頭 約3.2頭 約5頭
離乳 約21日齢 約18日齢 約21日齢

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4飼育

●実験動物では実験動物用ケージと実験動物飼料という質素なスタイルで飼育されています。しかし、ペットでは、様々なケージや餌の選択が可能で、ケージのレイアウトや玩具など、環境エンリッチメント(キーワード:環境エンリッチメント)を考慮しましょう。

実験用ハムスターケージ


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4-1飼育頭数

●ゴールデンハムスターは2頭以上を同じゲージに入れると、けんかしてしまうことが多く、別々のケージで飼うようにしましょう(単独飼育)。特にメスは気が強いため、注意してください。なわばり意識が強いので、けんかをするだけで終わらず、相手を食い殺すこともあります。
●チャイニーズとドワーフハムスターは、野生でもつがいでいるので、同じゲージで飼っても大丈夫です(複数飼育)。しかし、相性が悪い場合は単独飼育をしないといけません。基本的には1頭ずつ飼育した方がよいでしょう
●ロボロフスキーハムスターは環境に敏感で、ハムスターを飼いなれていない人には扱いにくい種類です。鑑賞用のハムスターと考えて飼育するのがよいでしょう。また、野生では集団で生活をしているので、複数で飼うこともできますが、その場合は幼体から一緒に飼いはじめたほうがよいです。
ロボロフスキーハムスター

4-2ケージ

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●ケージの中に床敷、餌容器や給水器、巣箱や小屋などをレイアウトして設置してください。
ハムスターケージレイアウト
●ハムスターは木などに登らず、地下に巣穴を掘る生活をしています。2階建てのような階層のあるケージも売られていますが、落下や足を挟みこむ事故(骨折など)に注意してください。
ハムスターの金網登り
●ケージは金網タイプとガラスや樹脂製の水槽タイプとがあります。ハムスターは齧る習性があるため、紙製や木製のものは使用しないでください。しかし、金網ケージは、金網に足を挟むこむ骨折などの事故以外に、金網を齧る癖がつくと、切歯が折れるような事故(切歯破折)もありますので、安全性にややかけます。齧ることは習性なのでやめさせることはできません。
ハムスターケージ噛み  

金網は齧らせてはいけません

●水槽タイプのケージの利点は、気密性に優れているために保温効果が高く、そして、事故が起こる危険性が低いことです。欠点は、換気が悪いために掃除を怠ると、排泄物臭(アンモニア濃度)が強くなり、湿度の調節が難しくなることです。

ハムスター水槽タイプケージ
●水槽タイプのケージは天井にのみ金網がついているようなハイブリットタイプがあります。しかし、巣箱や小屋に登って天井に届かないようにしないといけません。
ハムスター水槽タイプケージ  ハムスター水槽タイプケージ

安全なお家は水槽タイプの平屋です

●ケージは床面積が広いものを用意してあげましょう。床に金網が付いている場合は、ハムスターが足を引っ掛けてしまうので外してください。
●ゴールデンハムスターの推奨されるケージの大きさは実験動物で報告されたデータが使われいました。しかし、この数値は最低値であり、この空間で十分な活動量を補えるかが問題でした。
ハムスター実験動物

表:実験用ゴールデンハムスターのケージの大きさ〔Balk et al.1987〕

体重 床面積(cm2) 高さ(cm)
60g未満 64.5 14

 

60~80g 83.9
81~100g 103.2
100g以上 122.6

●近年では、ケージの大きさに様々な考慮がなされ、さらに広い床面積が推奨されています。
表: 実験用ゴールデンハムスターのケージの大きさ〔Swallow et al.2005〕

体重 床面積(cm2) 高さ(cm)
30-60g 96 15
61-90g 128
91-120g 160
121g以上 192

表:実験用ゴールデンハムスターのケージの大きさ (EUの実験動物保護指針)

体重 床面積(cm2) 高さ(cm)
60g未満 150 14

 

60-100g 200
100g以上 250

●ケージの大きさを優先するのではなく、自然の行動が再現できるように、トンネル、ブロックやチューブ、回し車を設置することが理想とされています〔Kuhnen 1999〕。
ハムスターケージレイアウト  ハムスターケージレイアウト

●地下巣で生活するハムスターにとって、暗くて身体が隠れるところが大好きで、自分一人で落ち着ける場所が必要なので小屋や巣箱を必ず1つ用意しておくとよいでしょう。
ハムスター小屋
●床敷をたっぷりと厚く敷いてあげると、その中に潜る習性もあります(営巣)。
ハムスター営巣
●床敷は、今までは木製チップが主でしたが、コーンチップ、乾牧草、紙チップ、繊維類、土なども使用されています(キーワード:床敷)。

木製チップ床敷

木製チップ

紙類床敷

紙類

●基本的にケージの四隅で排尿します。四隅の同じ場所にすることが多いので、そこにトイレを設置すれば、しつけができるかもしれません。しかし、ロボロフスキーハムスターはトイレの覚えも悪く、ケージの中でどこでも排尿をしてしまいます。

ハムスタートイレ

ケージの隅

ハムスタートイレ

トイレ

4-3温度・湿度・照明

●ゴールデンハムスターは5℃(±2℃)の低温の環境では冬眠する傾向にあります〔米田 1991〕。冬眠すると体力を消耗したり、そのまま死亡することもあるため、冬眠をさせない方がよいでしょう。
●冬の寒い時も、エアコンなどの保温器具で保温してください。小動物用のカイロなども使用できます (キーワード:温度・湿度)。
ハムスターカイロ

冬眠させないように注意してください

●ケージを直射日光が当たる所や閉めきった部屋に置くと、熱射病や熱中症になる可能性があるので注意してください。夏の暑い時はエアコンなどで温度を調節してください (キーワード:温度・湿度)。
●夏の暑い時は、冷房や送風などで温度が上がりすぎないように調節が必要です。小動物用の体を冷やす金属板(金属ベット)なども使用できます(キーワー ド:温度・湿度管理)。
ハムスター金属ベット
●特に夏はケージの中に熱がこもりやすくなるため、床敷などは少なくし、掃除の回数を増やすとよいです。
●水槽ケージの中は湿気がこもりやすいために、風通しのよい所にケージをおきます。床敷は細菌が繁殖しやすいため、頻繁に掃除してあげましょう。
●夜行性の動物なので、日光浴をさせる必要はありません (キーワード:照明)。

表:温度・湿度〔実験動物施設基準研究会 1983〕

項目 数値
温度 20-26℃
湿度 40-60%

5食事

5-1エサ

●基本的にハムスター用ペレットを中心に、種子(キーワード:種子)や野菜 (キーワード:野菜)などを与えます。ペレットのみの給餌でも栄養学的には問題はありませが、ハムスターに食べる喜びを与えるために、他の食材もバランスよく組み合わせて与えます。
●活動し始める夕方から夜の早い時間にかけて、エサを与えてください。
●ゴールデンハムスターは自由にエサを食べるような環境にさせても、一気に食べるようなことはなく、約2時間毎に食べる習性があります〔Borer et al.1979〕。
●ペレットや種子類は常に餌容器に入れておき、しおれやすい野菜は時間を決めて新鮮なものを与えてください。果物やおやつなどはコミュニケーションの一環として、時々与える程度にとどめましょう。
ハムスターエサ  ハムスターエサ    
ハムスターエサ  ハムスターエサ        
●ハムスターは好物のエサを頬袋に溜め込んで、後で出して食べることもあります。実際に食べたエサの量を確認することは困難です。
●エサの容器に入っているエサを巣まで運びこむ習性があるため、巣箱や床敷の下にエサが隠されていることがあります。梅雨や夏では、隠されたエサが腐ったりするので、時々ケージ内をチェックして、取り除いてあげましょう。
●ハムスターの栄養学の詳細は分かっていません。ハムスター用ペレット(ゴールデンハムスター)の栄養要求量は、 粗タンパク15%、粗脂肪5%〔Committe on Animal Nutrition 1987〕ともいわれていますが、いまだ論議されています。
●実験動物のげっ歯類用ペレットでは約22%の粗タンパクが必要量とされていますが〔Balk et al.1987〕。しかし、ゴールデンハムスターの要求量は、13.7~22%〔Arrington et al.1979,Arrington et al.1966,Arrington et al.1966,Horowitz et al.1966,Arrington et al.1966,Birt et al.1981,Banta et al.1975〕と幅が広く、成長期や妊娠期では約24%以上が勧められてています〔Harkness et al.1989〕。おやつなどの粗タンパクが低いエサを主食にすると、脱毛や皮膚炎が発生起こりやすくなります〔Carpenter et al.2000〕。一般的に市販されているハムスター用ペレットは、粗タンパクが15〜24%の商品が多く、これらの商品で大きな問題は起こっていません。
ハムスター実験動物用ペレット

●げっ歯類ペレットの粗脂肪は4〜6%が理想とされてます〔Knapka et al.1977〕。ゴールデンハムスターでは、3.1~5.0%が必要量と報告されていますが〔Knapka et al.1974〕、詳細は分かっていません。ヒマワリの種子などの粗脂肪が多いと、肥満だけでなく、高脂血症や動脈硬化が起こる可能性が分かっており〔Hayes et al.1993〕、短命につながります。反対に、粗脂肪が足りないと、脱毛やフケなどの皮膚病が発生するともいわれています〔Christensen et al.1952〕。
ハムスターヒマワリの種

ヒマワリの種子はほどほどに

●粗繊維が少なく、糖質やでんぷんが多い、おやつや果物などのエサは、死亡率が高くなります〔Salley et al.1962〕。粗繊維は腸内細菌叢の維持に必要な栄養素で〔Snog-Kjaer et al.1963〕、腸内細菌叢は、繊維質を分解して、消化・発酵に役立ちます〔Banta et al.1975〕。

5-2水

●ハムスターは乾燥地域に住んでいるため、大量の水を必要とする動物ではありません。特にドワーフハムスターでは水を積極的に摂取しませんが、水分が要らないのではなく、少量の水でも生存できるのです。このようなハムスターでは野菜を多く与えることで水分摂取を補うようにしてください。なお、給水器も壁掛け式と設置式の給水器がありますが、多くが壁掛け式の給水器のボトルで飲みます。
ハムスター給水ボトル  ハムスター給水ボトル

表:採食量・飲水量〔Bauck et al.1997〕

項目 1日の体重100gに対する量
採食量 10-12g
飲水量 8-10mL

6ケア

●ケージの中に動物をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。
●動物が持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、動物はそれぞれ生息地に適応した体の特徴や生態を考えてください(キーワード:環境エンリッチメント)。ハムスターの場合、ケージを広くする以外に、運動をさせる、巣穴を作って潜り込む、物を齧るという行動がポイントになります。

「運動させる」「巣穴に潜る」「物を齧る」がポイント

●活発な動物ですが、飼育での最低の運動量は一概に定まっていません。ケージの中で小屋や巣箱に乗ったり、ケージの外に放すことで運動量を増やすなどの策もとられています。しかし、一番楽に運動量を増やすには、回し車を回したり、トンネルに潜るなどの方法がお勧めです。回し車やトンネルなどを与えることは、ハムスターのストレスを減らす効果もあります〔Kevin et al.1998〕。高い小屋でなければ、登ることも危険でなく、運動になります。
ハムスター回し車  ハムスター回し車  ハムスタートンネル  ハムスター小屋

小屋や回し車が大好き

●ケージから出して、部屋やサークルで遊ばせることは運動にもなり、ストレス対策にもなります。ハムスターは夕方から活動を始めるので、夕方以降の時間にしましょう。部屋で放す場合は、家具の隙間に入ってしまったり、下敷きになったり、人に踏まれしまったり、観葉植物があると齧って中毒がおこる可能性があるので注意してください。
ハムスタースキンシップ
●齧ることも習性の一つなので、齧り木になるようなものを置いてあげましょう。また、かまぼこ木製の小屋・巣箱も齧らせる目的で与えるのもよいです。木に興味ない場合は、トイレットペーパーの芯、硬いトウモロコシや松ぼっくり(商品として販売されています)などを好む場合もありますので、性格にあったものを選んであげて下さい。

ハムスター齧り用トウモロコシ

トウモロコシ

ハムスター齧り用松ぼっくり

松ぼっくり

●飼育下では、砂浴び(砂浴による皮膚や毛の清浄)や爪切りなどが必要になることがあります。 ゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターなどの種類は、馴れるように人とのコミュニケーションをとった方が扱いが楽になることがあります。
●砂浴びは積極的には行わないハムスターもいますので、無理にさせる必要はありません。また、砂浴びの場所とトイレの区別がつかない個体が多く、トイレ砂で砂浴びしていることが多いです。
●自然界では砂漠に近い環境で生活をしていたため、細かい砂が大好きな性格から、トイレ砂も砂浴び用の砂も違いはないようです。トイレの砂浴びも実際の害はほとんどないので、兼用したり、そのままにしておいても問題ありません。
●ケージの外側に取り付ける砂浴び容器というものがあります。ケージの中が飛び散った砂で汚れません。
ハムスター砂浴び  ハムスター砂浴び
●野生では爪を削る環境がありますが、飼育下では爪が伸びすぎることがあります。おとなしい性格であれば定期的に切ってあげましょう。
ハムスター爪切り  ハムスター爪切り
●ハムスターとコミュニケーションとって馴らせると扱いが楽になります。ストレスにならないように少しずつ馴らしていきましょう。気が立っていると、噛まれることもあるので注意してください。
●コミュニケーションをとって馴らすには、最初に好物のエサを手渡しであげてみます。手に馴れるように臭いを嗅がせ、手を恐がらないようになったら、両手でそっとすくい上げて手のひらに乗せてみてください。まずは手に乗せられるようになってください。
ハムスタースキンシップ
●体が小さいロボロフスキーハムスターは部屋で放したり、手のひらに乗せたりすると、逃げて捕まらなくなることもありますので、無理しないでください。
●毛が生え変わる春や秋は、歯ブラシなどでブラッシングしてあげるのもよいです。特に長毛種は自分で毛づくろいをすることで、飲み込んだ毛による胃腸閉塞がおこりやすく、急死することも珍しくはありません。しかし、噛み癖のあるハムスターやロボロフスキーハムスターでは、無理して行わないでください。

7参考文献

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