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【初公開!フェレットの画期的な長生きさせる方法】

病気を完全に予防はできませんが、以下の3つをクリアーすれば理論的に長生きする確率が高くなるはずです

①毎年のジステンパー抗体測定&検診血液検査

②コロナウイルス&へリコバクター菌対策

③副腎疾患・インスリノーマ・リンパ腫対策

表:フェレットの代表的な病気

予防可能な病気
・ジステンパーウイルス
・フィラリア(犬糸状虫症)
早期発見可能な病気
・コロナウイルス
・ヘリコバクター菌
3大疾患
・副腎疾患
・リンパ腫
・インスリノーマ

●色々なサイトにフェレットの飼育の記事が多く書かれていますが、ここでは細かいことを省略し、フォーカスを上記①~③に絞って専門獣医師が解説をします。その他の情報は以下を参照してください。

フェレットの生態や特徴を知りたい人はこちらの記事!

マニアックなフェレットの飼い方、エサ、ケアの情報を知りたい人はこちらの記事!

フェレットの病気情報を知りたい人はこちらまで!

①毎年のジステンパー抗体測定&検診血液検査

●フェレットにかかりやすいジステンパーウイルスやフィラリアはワクチンや予防薬により病気にならないようにできます。
●ジステンパーワクチンとフィラリアの予防は必ずしてください。もしも感染した場合、死亡する確率か高い病気です。

ジステンパーワクチンとフィラリア予防は必ずしましょう!

●ジステンパーウイルスによる症状は、皮膚病、食欲不振、鼻水、下痢や嘔吐、気管支炎や肺炎、神経症状などです。皮膚病のみが最初にみられることが多く、鼻や口周りの発疹が特徴です。感染すると約2週間で亡くなってしまうこともあります。
フェレットジステンパー
●ジステンパーウイルスは感染した動物の体液や排泄物などとの接触で感染する場合と、空気感染する場合があります。空気感染をするので、接触がなくても同じ部屋にいるだけでも感染します。

ジステンパーウイルスは同じ部屋にいるだけで感染する?

●ジステンパーワクチンはフェレットに有効なものと無効なものがあります。せっかくワクチンの注射しても効かないものを使っても無駄になります。しっかりと勉強して、適切なワクチンを用意してある動物病院を選んでください(正直、病院を見分ける方法は飼い主からはできません)。
●ワクチンは年齢や過去の接種歴によりますが、初年度は2~3回、その後は毎年1回の追加接種になります。ペットショップにいる時点で、1回目のワクチン接種が終わっている場合が多いです。お迎え後の2回目あるいは3回目以降のワクチンをいつ接種するのかは、獣医師と相談して決めてください。

ジステンパーワクチンは知識のある動物病院でうけないと無駄になります!

●フェレットの字ステンパーワクチンは法律で義務づけられていません。フェレット用のワクチンは日本には無いため、犬用の混合ワクチンを使うしかないのです。そして、犬用でもジステンパー単独のワクチンもありません。混合ワクチンはジステンパー以外にも他のウイルスの抗原が含まれているため、2~5種の抗原が含まれていますので、副作用も出やすいのです。
●アメリカではFERVAC-D(United Vaccines Inc.製)、PUREVAX(MERIAL)というフェレット専用のジステンパー単独のワクチンがあります。
フェレットワクチン

ジステンパーワクチンのメリット
□ジステンパーの予防ができる(外出できる)?
□ペットショップに預けることができる(ワクチンしてないと預かってくれません)
□動物病院での院内感染を防げる(待ち合い室で感染します)?

●フェレットにとって、混合ワクチンは種類が多いほど余分な抗原を体内に入れることになります。そしてワクチンの副作用もあります。副作用は顔が腫れる、元気がなくなる、嘔吐や下痢などです。重大な副作用としてアナフィラキシーショックというものがあり、死亡することもあります〔Quesenberry 1997〕。ワクチン接種はできれば午前中か午後の早い時間に受けてください。もし副作用が発現したら、動物病院が営業時間であれば対応ができるからです。

ジステンパーワクチンのデメリット
□犬用ワクチンなので100%の効果の保証はない
□ワクチンの副作用

●最近は、犬では一度ワクチンを接種すると体の中でできる抗体が数年間にわたり残っているとされ、毎年血液検査で抗体を測定し、抗体が十分にあればワクチンを接種しないという考えがあります。
●Dr.ツルの提案です。フェレットも2年目以降は、毎年抗体を測定する血液検査を行い、十分な抗体があればワクチン接種はしないですみます。採血する手間は一回ですみますので、同時に検診で血液検査をすることをお勧めします。

2年目以降は毎年ジステンパー抗体測定と検診血液検査がベスト!

抗体検査・ワクチンを希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

 

②コロナウイルス&へリコバクター菌対策

●フェレットのコロナウイルスは聞きなれていないと思います。緑色の下痢をするグリーンウイルスという名前はどこかで聞いたことがあるでしょう。新しいフェレットを迎えした時の、先住のフェレットに起こる、お迎え症候群もその原因の一つといわれています。

●グリーンウイルスといわれているのは、コロナウイルスの一つである腸コロナウイルスのことで、緑色をした軟便や下痢がみられ、比較的軽症でおさまります。しかし、近年はこの腸コロナウイルスが死亡率が高い全身性コロナウイルスに、フェレットの体内で変化するという事実が知られています。ウイルスの治療にはインターフェロンなどを投与しますが、治療は難しいのが現実です。腸コロナウイルスならば、体内から自然に出ていく可能性もあります。

●腸コロナウイルスは糞からの遺伝子検査で調べますので、フェレットに負担はまったくありません。しかし、遺伝子検査を普通の動物病院ではできません。

便がおかしい時は、腸コロナウイルスの遺伝子検査をお勧めします!

●ヘリコバクターという細菌を聞いたことありますか?人ではヘリコバクター・ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍を起こし、将来的に胃がんを発症する菌が有名です。フェレットにもピロリ菌と似ているヘリコバクター菌(Helicobactre mustelae)がいます〔Fox et al. 1990〕。
ヘリコバクター菌に感染しても、人と同じように普段は症状がみられないのですが、ストレスや全身に病変や症状がみられる腎不全やリンパ腫などになると、胃炎や胃潰瘍を起こして、嘔吐や食欲不振、黒色のタール状の軟便、体重の減少などをみられます。重度の胃潰瘍になると、胃の血管が破れることにより大量出血することがあり、出血性のショックを引き起こすこともあります。この菌はやはり、フェレットに胃がんや消化管のリンパ腫へも移行することも報告されています〔Fox et ak.1997〕。

●一般的な治療は、ヘリコバクター菌を殺菌するための抗菌剤を長期に飲ませて除菌できます。
●腸コロナウイルスは糞からの遺伝子検査で調べますので、フェレットに負担はまったくありません。しかし、遺伝子検査を普通の動物病院ではできません。

腸コロナ&ヘリコバクターの遺伝子検査を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

Dr.ツルが出張診療をしている、山形県天童市、福島県いわき市、埼玉県さいたま市、静岡県裾野市、愛知県豊田市でも遺伝子検査が可能です。病院詳細は、エキゾチックペットクリニックのホームページを参考にしてください

→遠方で相談したい方はDr.ツルのエキゾチックペットクリックでは、LINE@で、対応させて頂いています。エキゾチックペットクリックのホームページからLINE登録してください(返信遅くなったらごめんなさい)。

 

③副腎疾患、インスリノーマ、リンパ腫対策

●3大疾患である副腎疾患、インスリノーマ、リンパ腫はフェレットではとても多い病気です。

副腎疾患

●副腎というホルモンを分泌するところの病気で、性ホルモンの過剰分泌が起こることで、様々な症状がみられます。
●副腎疾患の発症の平均年齢は3~5歳です〔Shoemaker 2000〕。
●副腎の細胞が変性したり、腫瘍化したりします。悪性の腫瘍になると全身に転移します。
●原因は定かでなく、エサの要因、遺伝、照明などの環境要因などといわれています。未熟時の避妊手術や去勢手術がホルモン分泌の異常を引き起こすことが一番の原因かもしれません〔Rosenthal et al.2003〕。
●性ホルモンが過剰に分泌することから、それらのホルモンに感受性がある場所に影響がみられます。しかし、副腎が腫瘍化しているから症状も比例して悪化するわけでなく、例え腫瘍化していてもほとんど無症状のこともあります。検査は血液検査、レントゲン検査、エコー検査などで判断します。
●最も多くみられる症状は脱毛で、80%以上に起こります〔Weiss et al1999〕。尾や腰部から始まり、次第に体や脇腹に沿って、頭の方へ徐々に進行し、最終的には手足、顔以外全てが脱毛します。
 フェレット副腎
●メスでは陰部が丸く腫脹し、薄い粘液が排泄します。これは発情した状態で、性ホルモンの影響です。
フェレット陰部腫大
●乳腺も腫れて乳首が目立つようになります。
フェレット副腎乳首
●オスは前立腺に影響がみられ、頻尿や排尿困難を引きおこします。尿道が完全に閉塞する緊急事態になることもあります。
●冬から春にかけて、つまり日が長い環境(いわゆる発情期)に発症し、脱毛などの症状がみられますが、秋以降の日が短い環境になる頃に、完治には至りませんが、毛が生えてくることもあります。この周期的な変化を毎年繰りかえすようなフェレットも多いです。
●まれですが、性ホルモンのうちのエストロゲンの過剰分泌で再生不良性貧血を生じます。これは致命的な貧血で、多くのフェレットは助かりません。
●最終的な治療は外科手術になりますが、腫瘍になっていなければホルモン治療などで上手く付き合っていく方法もあります。腫瘍にならないように定期的にホルモン治療をする選択を選ぶ飼い主が増えています。

副腎疾患の予防は3つありますが、この方法が完全に副腎疾患を予防できるわけではありません。

予防方法
①卵巣や精巣を摘出していないフェレットを購入し、性成熟を迎えた半年くらいしてから避妊手術や去勢手術を受けることです。この方法だと手術費用がかかるという欠点があります。そして、メスが発情するとエストロゲン中毒になるので、メスは発情の少し前の4~6ヵ月齢で行うことをお勧めします。
②日照時間を整える。野生と同じように昼間は明るくし、夜はケージに入れて毛布などをかけて暗くし、明暗の条件を整えます。
③メラトニンというサプリメントを与えます。メラトニンは主に体内時計に関与するホルモンで、冬に多く分泌され夏は減ります。メラトニンは副腎に刺激を与える性腺刺激ホルモンを抑制するため、副腎疾患の予防になります。メラトニンのサプリメントは国内で販売されていませんので、個人輸入で購入するか、エキゾチックペットクリニックでは輸入したものを処方しています。現在までフェレットに対して副作用はみられていません。

インスリノーマ

●膵臓のβ細胞の腫瘍によって低血糖の症状が起こる病気です〔Caplan et al 1996〕。4~5歳以降にみられ、病状も個体差があり、数ヵ月にわたリ慢性経過をとるフェレットも少なくないです。
●初期は低血糖症状のみで無症状です。症状が現れるとしたら、異常行動と体重減少です。異常行動とは、数分間動きを止めてぼんやりと宙を見つめたり、泡を吹いたり、口の中に何か入っている感じで前足で口の周辺をかいたりする動作をみせます。軽症例では数ヵ月に1回くらいで起こります〔Buchanan et al.2003〕。次第に元気がなくなり、慢性的に衰弱し、痩せてきます。
フェレットインスリノーマ
●重度の低血糖症状になると低酸素に起因する脳障害も引きおこし、脳が正常に働かなくなり、痙攣、発作、昏睡などの神経症状がみられます。
●インスリノーマは特異的な症状と血液検査で低血糖の確認をして診断します。
●完治させる方法の一つとして外科手術があげれます。また、内科的に低血糖を最小限にするために投薬をして、進行を遅くする方法をとることもあります。

リンパ腫

●リンパ腫とは血液の癌です。白血球という血液細胞の中のリンパ球が腫瘍化する病気です。
●腫瘍化したリンパ球は、血液だけでなく、リンパ節や脾臓、肝臓、腎臓、胃腸、骨髄など様々な場所で増殖します。その増殖した部位により、症状や検査、治療法が変わってきます。
●リンパ腫は増殖をした部位により症状が変わってきます。一般症状は元気や食欲の低下がみられ、痩せてきます。
●全身の転移状況を知るために、血液検査、レントゲン検査、エコー検査を行います。
●基本的な治療は抗がん剤になります。

インスリノーマもリンパ腫も腫瘍疾患なので、特異的な予防方法はありません。各サイトに予防と書かれていますが、病気が発症してからの進行を遅くする対応策です。腫瘍発生リスクとしてエサの改善とサプリメントをあげますが、完全に腫瘍を予防できるわけではありません。
予防方法
①サプリメントを与える
姫マツタケとは通称アガリクスとも呼ばれ、元々はブラジルの山の中で自生していたキノコです。このキノコは、免疫力を高める効果が科学的・学術的に証明され、特に腫瘍の代替医療として注目が集まっています。姫マツタケには様々な効果がある成分が含まれており、βグルカン(免疫細胞を活性化させ、癌細胞を抑制する効果が期待できる)、核酸(核酸の量を増やすことで癌の増殖を抑える効果が期待できる)などが代表的です。これらの成分は副作用がないことからも、期待は高まっています。もちろん、癌の動物だけではなく、高齢や病弱の動物に対しても免疫力がを高める役目もあります。


②腫瘍発生をおさえるサプリメントが配合されているペレットを与える。
イースターのフェレットセレクションは、アガリクスというキノコの成分、初乳の主成分であるヌクレオチド、血液循環をよくするDHA・EPAが配合されています。これらの成分で腫瘍発生をおさえることを期待したいです。

 

●長生きを目指すには、ぜひフェレドック(健康診断)を受けましょう。

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

 

参考文献
■Buchanan KC, Belote DA.Pancreatic islet cell tumor in a domestic ferret. Contemp Top Lab Anim Sci42(6).46-48.2003
■Caplan ER,Peterson ME,Mullen HS,Quesenberry KE,Rosenthal KL,Hoefer HL,Moroff SD.Diagnosis and treatment of insulin-secreting pancreatic islet cell tumors in ferrets: 57 cases (1986-1994).J Am Vet Med Assoc15.209(10).1741-1745.1996
■Fox JG,Correa P,Taylor NS,et al.Helicobacter mustelae-associated gastritis in ferrets.an animal model of Helicobacter pylori gastritis in humans.Gastroeentrology99.352-361.1990
■Fox JG,Dangler CA,Sager W,Borkowski R,Gliatto JM.Helicobacter mustelae-associated gastric adenocarcinoma in ferrets (Mustela putorius furo). Vet Pathol34(3).225-229.1997
■Quesenberry.KE.Basic Approach to Veterinary Care.In Ferrets,Rabbits,and Rodents Clinical Medicine and Surgery.Ferrets.Hillyer EV,Quesenberry KE, eds.WB Saunders.Philadelphia.1997
■Rosenthal KL,Peterson ME,Quesenberry KE,Hillyer EV,Beeber NL,Moroff SD,Lothrop CD Jr.Hyperadrenocorticism associated with adrenocortical tumor or nodular hyperplasia of the adrenal gland in ferrets:50 cases (1987-1991).J Am Vet Med Assoc15.203(2).271-275.1993
■Shoemaker NJ,Schuurmans M,Moorman,et al.Correlation between age at neutering and age at onset of hyperadrenocorticism in ferret.J Am Vet Med Assoc216:195-197.2000
■Weiss CA,Williams BH,Scott JB,Scott MV.Surgical treatment and long-term outcome of ferrets with bilateral adrenal tumors or adrenal hyperplasia:56 cases (1994-1997).J Am Vet Med Assoc15.215(6).820-823.1999