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【3歳児の知能を持つデグーとのつきあい方】

馴れたデグー

人に馴れるデグーの飼育!人に馴れるデグーの選び方!

●デグーは個体差がありますが、人の2~3歳児の知能を持っています。頭がよく賢いぶんだけ、ストレスも受けやすいです。
●しゃべることはできませんが、きっと頭の中では、「もっとおいしいエサを頂戴!」、「違うオモチャを買って!」、「暇なので遊んで!」・・・と思っているに違いありません。このようにデグーとのつき合い方を、Dr. ツルが専門家としてコツを教えます。
●コツは意外と簡単です。新たな情報というより、改めて以下のことをよく考えなおすだけです。

①生活の習慣化

②遊び

③コミュニケーション

④人に馴れるデグーの選び方

●色々なサイトにデグーの飼育の記事が多く書かれていますが、ここでは細かいことを省略し、フォーカスを上記①~④に絞って専門獣医師が解説をします。その他の情報は以下を参照してください。

デグーの生態、特徴、品種を知りたい人はコチラ!

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①生活の習慣化

●デグーは基本的に昼行性の動物です。しかし、野生では季節などで夜に行動することもありますが、飼育下のデグーは飼い主の生活サイクル次第で昼行性か夜行性でも対応できます。
●デグーの生活リズムを整えることで、ストレスも減り、ホルモンや消化活動も一定になり、健康を維持するためにも重要なことです。

あなたのうちのデグーは昼型?夜型?

●エサを与える時間やケージから出して遊ぶ時間も、一定の時間で決めて行うと、デグーはそのリズムに馴れてきます。名前を呼んで反応するくらい馴れると、呼びかけながら世話をするとよいでしょう。デグーは群れで暮らし、仲間とのコミュニケーションを取る時は、複数の鳴き声を使い分けます。飼い主が呼びかけると、返事をするようになるデグーもいます。

●エサを与える時も、袋を鳴らすことでデグーはエサがもらえることが分かるようになります。
●好物を渡すと寄ってくるようになるので、ケージに戻すコツは、ケージに戻れば好物がもらえるということを理解させることです。ケージに入ったら褒めてあげましょう。これを毎日続けると、デグーは自分からケージに戻るようになります。
●デグーはトイレを覚えないことが欠点で、ケージ内のいたる所で糞や尿をします。しかし、臭いがきついということはありません。

②遊び

●知能が高いデグーは、道具を使うこともできます。大きい箱を下から順番に箱を積み重ねる〔Tokimoto et al.2004〕、柵越しの手が届かない所にエサを置くと、熊手を使ってエサをとることができること〔入来ら2007〕などは有名な話しです。

道具を使うネズミ

●道具を使うくらいの知能を持っているため、玩具にも工夫を凝らさないとすぐに飽きられてしまいます。
●基本的には噛んでも安全な材質のものを与えるようにしましょう。木でつくられた齧り木はもちろんですが、齧り木にも工夫を凝らします。

5連齧り木セット 連なった齧り木を齧るとクルクル回るので工夫しながら齧ってもらいます!齧る確率98%!

●デグーは遊ぶ場合にも上下運動ができる立体的な遊び方が大好きです。そのためケージの止まり木やブランコなど立体的な遊び道具や三次元トンネルといった複雑な構造のおもちゃも適しています。

ツリーステージ ピョンピョン飛び跳ねて登ってもよし!好きなところを齧ってもよし!ストレスフリーなツリーです!

スパイラル・パーチ 自然のつるを利用した曲がった止まり木です。器用にデグーはちょこんと飛び乗ります。お気に入り度200%なのですぐに齧ってしまい、また買ってしまう!デグーが考えた作戦ですよ!

デグースパイラル

●デグーが退屈を感じるとストレスを感じ、ケージの金網や給水器などを齧って破壊したりもします。

デグーケージ齧り

③コミュニケーション

●群れで生活をするデグーは、個体同士でコミュニケーションをとります。
●主に鳴き声でコミュニケーションをとり、多彩な鳴き声を仲間同士で意志疎通をしています。よく泣くので、歌うアンデスのネズミと言われています。
●人間がデグーの鳴き声を聞いて、機嫌がよいのか、不満なのか、鳴き声なのか、容易に理解出来ます。

デグーの鳴き声のことを知りたい人はこちらの記事!

●遊び相手がいない場合は飼い主を遊び相手として必要とします。デグーと接する時は優しく声をかけることをしてください。

あなたの鳴き声もデグーに聞かせてあげてください。

●社交性が高いデグーは、人のストレス下での社会的・感情的行動の脳神経学的研究のモデルになっています。社会的絆の欠損による感情行動障害の研究〔Colonnello et al.2011, Ardiles et al.2012〕、アルツハイマー病ならびに認知症〔Braidy et al.2012〕の研究に使われています。

仲間や人と交わらないとストレスになります😢

●きつい口調でデグーに話しかけていると、デグーも警戒して、馴れなくなります。つまり、人間が怒っているのか、機嫌がよいのか位は、デグーも理解できるはずです。

強い口調はだめです。優しく話しかけて!

●デグーに対して嫌がれることはしてはいけないですが、優しく話しかけることだけではしつけになりません。
●ある程度馴れてコミュニケーションがとれたら、ケージを齧ったり、人に噛みついた時などは口調を強くして叱ることも必要です。

悪いことをしたら、しつけのために叱ることもしてください!

●デグーは学習能力が高く、自分で考えて行動するということもできます。毎日繰り返すことで、飼い主との絆も強く太くなります。焦らず付き合ってあげてください。

④馴れるデグーの選び方

●デグーは群れの中の他のメスやオスも共同で子育てを手伝います〔Braun et al.2003〕。子育ては、幼体の脳の発達に大きく影響します。子育ての時期に母親と子を放すと、声の発達、性格の発達、知的/社会的能力、精神障害の欠損などをもたらします〔Braun et al.2003,Helmeke et al.2001〕。


●子育て中のデグーを親から早くに離すと、様々な異常行動がみられ、自咬などを引きおこす可能性があります〔Wilson 1982〕。人にも馴れない性格になりやすいです。

●親から完全に放す離乳は、きちんと母親たちから愛情をうける21~28日齢まで待つべきです〔Braun et al.2003〕。ブリーダーで早くから親から放した小さいベビーのデグーがペットショップで売られていますが、このようなベビーは性格に難がある可能性が高いです。そういう場合は人に対して必要以上に警戒心を持っています。

4週齢まで親と暮らしたベビーのデグーを迎え入れてください

●性格がよいデグーを迎えいれると、コミュニケーションもとりやすく、デグーも飼い主も幸せだと思います。
●ペットショップで小さ過ぎるデグーは迎えいれないでください。ブリーダーなどで1ヵ月位は親と一緒だったデグーを探してみてください。

●長生きを目指すには、ぜひデグドック(健康診断)を受けましょう。

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

 

参考文献
■Ardiles AO et al.Post-synaptic dysfunction is associated with spatial and object recognition memory loss in a natural model of Alzheimer’s disease.Proceedings of the National Academy of Science109.13835–13840.201
■Braidy N,et al.Guillemin GJ. Recent animal models For Alzheimer‘s disease: Clinical implications and basic research. J Neural Trans119.173–195.2012
■Braun K,Kremz P,Wetzel W,WagnerT dt al.PoeggelG.Influence of parental deprivation on the behavioural development in Octodon degus: Modulation by maternal vocalisations.Dev Psychobiol42.237-245.2003
■Colonnello V et al.Octodon degus. A useful animal model for social-affective neuroscience research: basic description of separation distress, social attachments and play.Neurosci Biobehav Rev35.1854–1863.2011
■Helmeke C,Ovtscharoff W,Poeggel G,Braun K.Juvenile emotional experience alters synaptic inputs on pyramidal neurons in the anterior cingulate cortex.Cerebral Cortex11(8).717-727.2001
■Tokimoto N.et al.Cup nesting by Degus Spontaneous construction of “Chinese boxes” by Degus (Octodon degu):A rudiment of recursive intelligence?.Japanese Psychological Research Short Report46(3).255–261.2004
■入来篤史,岡ノ谷一夫,熊澤紀子.齧歯類の道具使用学習を触発する好奇心の脳内機構.理化学研究所研究実績報告.2007