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ヒョウモントカゲモドキの知らないといけない知識

 2018/12/02 トカゲ この記事は約 11 分で読めます。

愛称のレオパは、英語名のLeopard からきています

●和名や英名の通り、ヒョウ柄の黒い模様が入る小型のヤモリです。片手に乘るくらいのサイズです。
ヒョウモントカゲモドキ
●ヤモリの仲間ですが、ヤモリとは異なる体の特徴があることから、トカゲモドキと呼ばれています。多くのカラーバリエーションがつくられ、とても人気が高いです。
 

1分類・生態

1-1分類

分類:有鱗目トカゲモドキ科ヒョウモントカゲモドキ属
学名:Eublepharis macularius
英名:Leopard gecko
別名:レオパードゲッコー

1‐2分布

パキスタン、アフガニスタ南部、インド北西部
ヒョウモントカゲモドキ分布地図

1-3生態

環境:荒地や草原の岩の多い半乾燥~乾燥地帯
行動
・夜行性で、昼は岩の隙間や倒木の下などに隠れて休み、夜に活動します。
・地上性のヤモリで、オスは縄張りを持ち、1頭のオスに対し数頭のメスのハーレムをつくります。
食性:動物食で、昆虫、クモなどの節足動物、小さいトカゲなどの小型爬虫類などを食べ、岩や植物についた夜露や朝露を舐めて水分をとっています。
寿命:10~15年(最高記録で30年)〔Kramer 2002〕

1-4身体

全長:18~25cm
体重:45~60g

1-5品種

●ヒョウモントカゲモドキは5~6亜種が報告されていますが、相違点が明確でなく、見解も様々です。
●一部では亜種名を明記して、マキュラリウス(パンジャブ)(E.m.macularius)、モンタヌス(モンテン)(E.m.montanus)、ファスキオラータス(E.m.fasciolatus)、アフガン(アフガニクス)(E.m.afghanicus)など販売されていますが、現在では原産国の政情が不安定で、野生個体の流通は全くと言っていいほどありません。
●流通しているヒョウモントカゲモドキは、ほとんどが繁殖(CB)個体で、爬虫類の中でも品種改良が最も進んでいる種類です。
●体色や模様、身体の大きさにより、様々なバリエーションが流通しており、その定義は複雑です。
●体色によるバリエーションはノーマル以外に、黄色の強い個体を選択交配した系統のタンジェリン系(ハイイエロー、タンジェリン、キャロットテールなど)、黒色色素欠乏で赤目のアルビノ系(アルビノ、アプター、ラプター、レーダーなど)、模様を欠く黄色やクリーム色のパターンレス系(パターンレスレーダー、マーフィーパターンレス(リューシスティック)、ブリザードなど)、ハイイエローの黄色が白色を帯びているモノトーンのスノー系(スノー、マックスノー、スーパーマックスノー、アーバンスノーなど)がみられ、模様が特徴的な、ストライプ、ジャングル、エニグマなどがいます。
●身体が大きいジャイアントやスーパージャイアントなどの品種も作られています。
●バリエーション名はブリーダーの名前をつけることもあり、トレンパー氏(例:トレンパー・アルビノ、トレンパー・ジャイアント)やベル氏(例:ベル・アルビノ)、マック氏(例:マック・スノー)、マーフィー氏 (マーフィー・パターンレス)、レインウオーター氏(例:レインウオーター・アルビノ)などが有名で、さらに彼らの居住地であるテキサス、フロリダ、ラスベガスが名前の一部につくこともあります。

品種が多すぎ・・・

ノーマル

野生種に近い色と模様をしており、黄褐色に黒色のヒョウモン柄の模様が入ってます。ノーマルと表記されていても、殆どがハイイエローなどに近い色をしています。
ヒョウモントカゲモドキノーマル  ヒョウモントカゲモドキノーマル

タンジェリン系

ハイイエロー

ノーマルの黄色が強いカラーで、色や斑紋が多様化しています。黄味の強さにばらつきがあり、異なる品種と思うくらいです。なお、ハイイエローは最も流通数が多く、本品種がノーマルとも呼ばれることがあります。
ヒョウモントカゲモドキハイイエロー  ヒョウモントカゲモドキハイイエロー

ハイポ・タンジェリン

タンジェリンはオレンジ色のことで、強いオレンジ色の色味を持っています。しかし、幼体にはタンジェリンの特徴がみられないため、成長してどのくらいのオレンジ色が発色するのかは分かりません。ハイポはハイポメラニステックの略で、黒色色素が減退しています。ノーマルと比べても色彩が綺麗で人気があります。
ヒョウモントカゲモドキハイポタンジェリン  ヒョウモントカゲモドキ

アルビノ系

ラプター

ラプター(RAPTOR)は、アプター(APTOR)の赤目(レッドアイ:Red eye)の個体を指します。APTORとははアルビノ(A)、パターンレス(P)、ブリーダーのトレンパー氏の作出(T)、オレンジ(OR)の英語の頭文字から命名されました。
ヒョウモントカゲモドキラプター

パターンレス系

パターンレス・レーダー

ラプターを作りあげるためのアルビノをトレンパー氏のアルビノ(トレンパー・アルビノ)ではなくてベル氏のアルビノ(ベル・アルビノ)を用いたものレーダー(Radar)と呼ばれています。
ヒョウモントカゲモドキパターンレスレーダー

リューシスティック(マーフィー・パターンレス)

黒色の模様が一切存在せず、全体的に黄色色素は残っており、白黄色をしています。リューシスティックとも呼ばれていますが、マーフィー氏が作りだした場合は、マーフィー・パターンレスと呼ばれています。そして、リューシスティックは尾の先端が先天的に曲がってしまっているなどの軽い奇形が多いです。
ヒョウモントカゲモドキリューシスティック

ブリザード

マーフィー・パターンレスを白色化して作りだし、ブリザートと呼ばれています。体は白色ですが、成長するとピンク、黄色、深い紫色を帯びてきます。黄色を帯びたブリザードはバナナブリザード、ベージュを帯びたり、灰色を帯びたブリザードはミッドナイトブリザードと呼ばれることがあります。
ヒョウモントカゲモドキブリザード

スノー系

ダオライト・スノー

雪の意味のスノーは、体色の黄色が減少し、白色を帯びた色になります。細かな黒色のスポットをダオライトと呼びます。
ヒョウモントカゲモドキダイライトスノー

スーパーマック・スノー

マックスノーは若干の黄色みが残るが、マックスノー同士を交配させて作られたスーパーマックスノーは純白に近く、黒色のスポットが列を成してならび、モノトーン調です。目は黒目です。
ヒョウモントカゲモドキスーパーマックスノー

その他

ジャングル

背中の尾と体の模様の両方が乱れているのがジャングルと呼ばれてます。体の模様だけが乱れたものをアベラントと呼びます。
ヒョウモントカゲモドキジャングル

エニグマ

エニグマとは謎という意味です。色みが多彩で、全身に薄紫や白、黄色やオレンジなどが多彩に表れます。さらに、斑紋は細かく散らばり、量や形などは不規則に表現されます。年齢を重ねるにつれて、斑紋が変化することもあります。そして、エニグマには、斜頸(首をかしげる症状)や旋回(同じ場所をグルグル回る)などの神経症状が先天的にみられることがあります。

ジャイアント

生後1年で、オス80~100g・メス60~90gにまで成長するものを、ジャイアントと呼びます。
ヒョウモントカゲモドキジャイアント

●目のカラーバリエーションもあり、銀灰色の虹彩に縦に細長い黒色の瞳孔を持つノーマルアイ、虹彩まで黒色のエクリプス、虹彩の中に瞳孔が滲み出したような模様のマーブルアイ、エクリプスから派生したアビシニアンがあります。エクリプスのうち、完全な黒目をソリッドアイ(フルアイ)、黒に近い赤目をレッドアイ、透き通るような赤目をルビーアイ、横半分が黒目となるのをスネークアイ(ハーフアイ)と呼ばれます。アビシニアンは虹彩の網目模様が赤く、血走った目をしているようにみえます。

ヒョウモントカゲモドキスネークアイ

スネークアイ

2特徴

2‐1性質・行動

●性格は温和で、行動もおっとりしているものが多いです。基本的に採食と排泄以外は、動かないていうイメージがあるくらいです。
●いやなことをされると噛みつくこともあるので、注意してください。

2‐2身体

●細長い頭と胴体と発達した大きなを尾を持ち、短い手足をしています。
ヒョウモントカゲモドキ

かっこよいヒョウ柄模様!関西のおばさん風!

●幼体の体色は薄い黄褐色に太い黒色の帯模様をしていますが、成長に伴い模様が不明瞭になります。
ヒョウモントカゲモドキ幼体
●成体では黒い不規則なヒョウ柄の斑紋になり、お腹は白色を帯びています。
ヒョウモントカゲモドキ
●生息地により、色や模様が少しずつ異なり、体の表面には多数の小さなイボ状突起で覆われています。
ヒョウモントカゲモドキ皮膚
●腋下には腋下ポケットと呼ばれる窪みがある個体もおり、この窪みの役割は不明です。
ヒョウモントカゲモドキ腋下ポケット

わきの下のくぼみは何ですか?

●尾は脂肪を蓄えるため、体よりも太くなることがあり、自切して再生尾も生えます。
ヒョウモントカゲモドキ尻尾  ヒョウモントカゲモドキ尻尾

尾が太さが体調のバロメーター?

●ヒョウモントカゲモドキ科は分類的にヤモリですが、いくつかの点でヤモリよりもトカゲに近い特徴を持つことから、トカゲモドキと命名されました。
●ヤモリのような指の吸盤である指下薄板(しかしばん)がないため、垂直の壁に張りつくことができませんが、細い爪を持っています。

ヤモリ指の吸盤

指下薄板

ヒョウモントカゲモドキ爪

ヒョウモントカゲモドキの爪

●他のイモリと同様に縦長のスリット状の瞳孔をしていますが、まぶたがないヤモリ類と異なり、ヒョウモントカゲモドキはまぶたを持っています。
ヒョウモントカゲモドキ瞳孔  ヒョウモントカゲモドキ瞼

ヤモリだけどトカゲっぽいのでトカゲモドキ

●歯は同形歯と呼ばれて小さい歯が並んでおり、舌は太く先端は分かれていません。
ヒョウモントカゲモドキ歯
●頻繁に舌なめずりをし、鼻や目を舐めて乾燥を防いだり、口周りについた水滴などを舐めとります。
ヒョウモントカゲモドキ舌 

ベロで目を舐めれます

●指の数は前足後足ともに5本です。

ヒョウモントカゲモドキ前足

前足

ヒョウモントカゲモドキ後足

後足

●脱皮は皮膚の古い角質が剥がれ落ちることです。トカゲは元の角質から新しい角質ができる時に、その間に休みがあるため、古い角質は浮いてはがれ落ちます。新陳代謝がよいと脱皮の頻度は短くなりますが、頻度の決まりはなく、環境や体調により、回数はかわります。ヒョウモントカゲモドキは、体の各部位が所々にポロポロと脱皮します(部位脱皮)。

ヒョウモントカゲモドキ脱皮

2-3雌雄鑑別・繁殖

●身体の大きさと二次性徴で雌雄が鑑別できます。
●オスはメスよりも大きく、がっしりとしており、メスと比べて頭部の幅があります。
●オスは総排泄孔の近位に横一列に並ぶ分泌腺の開口した前肛孔(ぜんこうこう)が発達していますが、メスは目立たちません。

ヒョウモントカゲモドキ前肛孔

オス(前肛孔)

ヒョウモントカゲモドキメス

メス

●オスは尾基部にはヘミペニスが収納されているクロアカサックがあるため、2つの膨らみが確認できます。しかし、この膨らみはあまり目立ちません。総排泄孔(肛門)周囲を押すとヘミペニスが出てくることでオスと判別できます。
●繁殖可能なサイズはオスは50g、メスは45gといわれています。約1年で、そのぐらいのサイズまで成長します。
●ヒョウモントカゲモドキの発情期は冬の後の春以降なので、繁殖させるためには、クーリングといって発情を誘発させるための作業が必要になるかもしれません。

表:繁殖知識〔Kramer 2002,de Vosjoli 1990,Kramer 2002〕

繁殖形式 卵生
性成熟 10~24ヵ月
繁殖期 季節繁殖(1~9月)
産卵数 2個/回、最大6回/年
性決定 温度依存的性決定(25.6~27.8℃でメス、29.4~30.6℃でオスが多く生まれます)

長生きを目指すには、ぜひポゴナゴドック(健康診断)を受けましょう!

健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

 

参考文献

■Grenard S.An Owner’s Guide to a Happy Healthy Pet:The Bearded Dragon.Howell Book House.New York.1999
■Johnson JD,Bearded Dragons.Exotic DVM8(5).Zoological Education Network.p38-44.2006
■McKeown S.General husbandry and management. In Reptile medicine and surgery. Mader DR ed.WB Saunders. Philadelphia.p9-19.1996
■Quinn AE,Georges A,Sarre SD,Guario F,Ezar T,Graves JA.Temperature sex reversal implies sex gene dosage in a reptile.Science316.411.2007
■Tosney K.1996.”Caring for an Australian Bearded Dragon” (On-line). Accessed November 16.1999 at http://www.ualberta.ca/~rswan/ERAAS/bd.htm.
■Zoffer D,MazorligT.The Guide to Owning a Bearded Dragon.T.F.H.Publications.Neptune City.NJ.1997

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