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フトアゴヒゲトカゲの知らないといけない知識

 2018/11/24 トカゲ この記事は約 10 分で読めます。
フトアゴヒゲトカゲ顎鬚

フトアゴはペット向きトカゲNo.1

●フトアゴヒゲトカゲは愛くるしい外観をしており、アゴヒゲがあり、学名のPognaはギリシャ語でヒゲという意味です。
●ひょうきんともいえる行動をとり、温和な性格をしています。
●大きさも手頃で、手で抱きあげられることも嫌がらず、ペット向きのトカゲといえます。
フトアゴヒゲトカゲ
フトアゴヒゲトカゲ

噛まないので誰でも触れます

1分類・生態

1-1分類

有鱗目アガマ科アゴヒゲトカゲ属
学名:Pogona vitticeps
英名:Bearded dragon,Central bearded dragon

1-2分布

オーストラリア東部から南東部

1-3生態

環境:乾燥気味の森林、低木地、砂漠地帯
行動
・昼行性で、夜は岩や草木の間などで寝て昼に活動し、木の枝や岩の上で日光浴して体を温めることを好みます。
・群れを作らず単独行動ですが、日光浴や採食する場所に複数の個体が集まり、オス同士は縄張り争いを行うこともあります。
フトアゴヒゲトカゲ 

噛まないので誰でも触れます

食性:雑食性で主食は昆虫ですが、植物の葉なども食べています。
寿命:6~10年

1-4身体

全長:45~56cm
体重:280~510g

1-5品種

●流通しているフトアゴヒゲトカゲは、ほとんどが繁殖(CB)個体で、爬虫類の中でも品種改良が進んでいる種類です。
●ノーマルは野生色で、基本的に背中は生息地の土の色に近い褐色の保護色ですが、茶色や赤褐色、黄褐色、灰褐色など、かなりの差異があり、お腹は白色を帯びています。ペットでは体色や体の特徴により、様々なバリエーションが作られています。
フトアゴヒゲトカゲ
●レッド系 (スーパーレッド、コーラルレッド、ブラッドレッド、ルビーレッド、サンドファイヤー、オレンジ、サンバースト、タンジェリン)、イエロー系(イエロー、ゴールデン、シトラス、レモンファイヤー)、ホワイト系(アルビノ、ホワイト)などのカラーが作られています。
●色素が減退したハイポメラニスティック(ハイポ)系、模様の無いパターンレス、鱗が透き通って目が黒色のトランスルーセント(トランス)、また、体側のトゲ状の鱗が少なく、かつ背中の鱗が滑らかなレザーバック、レザーバック同士の交配により作りたされた皮膚がより薄く、絹(シルク)のような感触のシルクバック、体が大きいジャーマンジャイアントなどかいます。

色々なカラーのフトアゴがいます

ノーマル(野生色)

褐色系で、茶色、黄褐色、灰褐色や赤褐色などの差があり、白色を帯びた楕円形あるいは帯状の模様が2列に並んでいます。お腹は白色を帯びており、薄く模様が入っています。近年はカラーのついた品種が多く、ノーマルは流通量が少なくなっています。
フトアゴヒゲトカゲ背中  フトアゴヒゲトカゲお腹  フトアゴヒゲトカゲノーマル

フトアゴヒゲトカゲレット系

レッド系

フトアゴヒゲトカゲイエロー系

イエロー系

フトアゴヒゲトカゲホワイト系

ホワイト系

ハイポメラニスティック(ハイポ)

ハイポメラニスティックはハイポと略されて呼ばれ、黒色色素が減退して、淡い発色あるいは白色を帯びた色になります。爪が黒色でなく、透明あるいは黒い筋だけが残ることも特徴で、クリアネイルとも呼ばれています。
フトアゴヒゲトカゲハイポ  フトアゴヒゲトカゲクリアネイル

トランスルーセント(トランス)

トランスルーセントはトランスと略されて呼ばれ、鱗が半透明で透き通り、地色が綺麗に発色します。黒目であることも特徴で、とても可愛らしい表情が人気のようです。黒色色素が減退し(ハイポ)、トランスであるとハイポ・トランスと呼ばれます。

フトアゴヒゲトカゲ

レッド・トランス

フトアゴヒゲトカゲトランスルーセント

黒目

 

 

 

 

 

 

フトアゴヒゲトカゲコーラルレッド・ハイポ・トランス

コーラルレッド・ハイポ・トランス

フトアゴヒゲトカゲ・イエロー・ハイポ・トランス

イエロー・ハイポ・トランス

リューシスティック

白変種と呼ばれ、体色の白さが特徴的ですが、わずかに模様が残る場合が多いようです。ほとんど模様も無く真っ白に近い個体ではパターンレスとも呼ばれています。アルビノのように黒色色素が欠損しているのではないため、目は黒く、爪はクリアネイルになります。
フトアゴヒゲトカゲ・リューシステイック
リューシスティック

フトアゴヒゲトカゲ・パターンレス

ホワイト・パターンレス

レザーバック

背中と体の脇の棘が少なく、名前のとおり、なめし皮(レザー)のように滑らかになっています。トゲの鱗が少ないため、ワイルドさが和らいでいる印象です。
フトアゴヒゲトカゲ・タンジェリン・トランス・レザーバック 
タンジェリン・トランス・レザーバック

2特徴

2‐1性格・行動

●性格は温和で、何をされても動じない面もあります。仕草や表情、行動が可愛いです。

●近寄っても逃げたり隠れたりもせず、攻撃的に噛みつくようなこともないです。
●触っても多くは動じず、人に馴れてくると手の上に乗せて、ピンセットや手らエサを食べてくれるようになります。
フトアゴヒゲトカゲ
●顔の表情は変えず、目線が合うように首をとかしげながら見上げるような仕草をします。
フトアゴヒゲトカゲ
●エサとなる生き餌のコオロギをみつけると、素早く追いかけて、短い舌を伸ばして餌をくっつけて、次々に口へ運ぶ動作も可愛いです。
フトアゴヒゲトカゲ採食
●ボビング(Bobbing)とアームウェービング(Arm-waving)という特有の行動をします。
●頭を縦に振るボビングは、特に発情したオスの求愛行動として考えられています。
●アームウェービングは幼体時に多くみられ、片腕をあげて宙に円を描くように、ゆっくりと後ろから前に大きく回し、 続けて反対の腕を回すこともあり、これを数回繰り返します。
●アームウェービングは相手の優位性を認める行動といわれ、小型の個体が大型の個体に対して、またオスよりもメスにみられます〔Zoffer 1997〕。メスのオスに対する発情行動ともいわれていますが、必ずしもするとはかぎりません。
●アームウェービングとボビングが必ずしも発情のサインとは限りません。幼体でも威嚇などでボビングやアームウェービングをすることもあります。

表情も動きも可愛いアイドル的存在です

5‐2身体特徴

●体幹は太くて扁平で幅広く、頭部は三角形で大きいです。尾は頭胴長よりも長いです。
フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲ  フトアゴヒゲトカゲ骨CT

●体表に多数の棘を持ち、下顎には名前の通りアゴヒゲ状の鱗房(りんぼう)、後頭部や体の脇に棘状の鱗が並んでいます。

フトアゴヒゲトカゲ鱗房 フトアゴヒゲトカゲ フトアゴヒゲトカゲ棘
●指の数は前足後足ともに5本です。基本的には爪は黒色をしています。

フトアゴヒゲトカゲ前足

前足

フトアゴヒゲトカゲ後足

後足

●脱皮は皮膚の古い角質が剥がれ落ちることです。トカゲは元の角質から新しい角質ができる時に、その間に休みがあるため、古い角質は浮いてはがれ落ちます。新陳代謝がよいと脱皮の頻度は短くなりますが、頻度の決まりはなく、環境や体調により、回数はかわります。フトアゴヒゲトカゲは、体の各部位が所々にポロポロと脱皮します(部位脱皮)。

2‐3雌雄鑑別・繁殖

●成体になると二次性徴とディスプレイーで雌雄鑑別ができます。
●オスは頭部がメスよりも大きくなる傾向があります。
フトアゴヒゲトカゲ頭
●発情すると下顎のアゴヒゲ状の鱗房も黒色に変色し、この姿がアゴ髭を生やしているようにみえます。
フトアゴヒゲトカゲ顎鬚

黒い顎ヒゲがまた可愛い!

●オスは臭腺である大腿腺(だいたいせん)が発達し、メスは目立ちません。

フトアゴヒゲトカゲのオスの大腿腺

オス

フトアゴヒゲトカゲのオスの大腿腺

オス

 

 

 

 

 

 

フトアゴヒゲトカゲのメス

メス

●オスの尾の基部にはヘミペニスが収納されているクロアカサックがあるため、2つの膨らみができます。しかし、この膨らみはあまり目立ちません。総排泄孔(肛門)周囲を押すとヘミペニスが出てくることでオスと判別できます。

フトアゴヒゲトカゲのオスの尾

オス

フトアゴヒゲトカゲのメス

メス

 

 

 

 

 

 

フトアゴヒゲトカゲヘミペニス

オスのヘミペニス

 

●フトアゴヒゲトカゲの性の決定は特殊です。卵の孵卵温度が22~32℃であると、性染色体が有利になり、染色体により雄雌が決まっています、しかし、孵卵温度が22~32℃以外であると卵の孵卵する時の温度で決まる温度依存的性決定というシステムが有利に働きます〔Quinn et al. 2007〕。

表:繁殖知識

繁殖形式 卵生
性成熟 6ヵ月~1.5年
繁殖期 原産地:季節繁殖(9~翌3月の春~夏) 飼育下:周年繁殖〔Grenard 1999〕
産卵数 最大9回/年・最大24個/回〔Tosney 1996〕
性決定 孵卵温度22~32℃:遺伝的性決定、それ以外の温度:温度依存的性決定 〔Quinn et al. 2007〕

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参考文献

■Grenard S.An Owner’s Guide to a Happy Healthy Pet:The Bearded Dragon.Howell Book House.New York.1999
■Johnson JD,Bearded Dragons.Exotic DVM8(5).Zoological Education Network.p38-44.2006
■McKeown S.General husbandry and management. In Reptile medicine and surgery. Mader DR ed.WB Saunders. Philadelphia.p9-19.1996
■Quinn AE,Georges A,Sarre SD,Guario F,Ezar T,Graves JA.Temperature sex reversal implies sex gene dosage in a reptile.Science316.411.2007
■Tosney K.1996.”Caring for an Australian Bearded Dragon” (On-line). Accessed November 16.1999 at http://www.ualberta.ca/~rswan/ERAAS/bd.htm.
■Zoffer D,MazorligT.The Guide to Owning a Bearded Dragon.T.F.H.Publications.Neptune City.NJ.1997

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