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リクガメの分かりやすくマニアックな飼育(特別保存版)

 2018/11/11 カメ この記事は約 12 分で読めます。
リクガメの飼い方

ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメ、ホシガメの飼育で押させるべきポイント!

●リクガメを飼育するのは知識が必要とされ、適切な飼育環境をつくるために様々な飼育グッツをそろえないといけません。
●性格がデリケートであるものが多く、環境が変わると馴れるまでエサを食べなかったりするかもしれません。

リクガメの飼育は水生ガメよりも難しいので勉強しましょう!

●昼行性であるため、昼は日のあたる場所に移動して体を暖めていますが、これは活動するために体温をあげてエネルギーをつくり、さらに太陽光に含まれている紫外線は、骨や甲羅の成長に役立てています

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1環境

1-1ケージ

●ケージは、アクリルやガラス製の水槽、衣装ケース、木製ケージ、園芸用の温室などを使用し、脱走できない高さがあれば蓋は不要です。もし必要とするならば通気性を確保するためにバーベキューネットのようなものがよいです。
リクガメ飼育 リクガメ飼育
●カメは緩慢なイメージがありますが、本来は広い自然界で生活をし、実際はとても活動的です。広いスペースで飼育することが理想ですが、具体的な飼育スペースの決まりはありません。幼体では小さい容器でも飼育できますが、成長具合によって、体の大きさにあった広さのケージを用意してください。
●ケージは、広ければ広い方がよいとしかいえませんが、反対に広過ぎると温度や湿度を保つのが難しくなります。大まかな目安ですが、ケージの幅と奥行きを足して甲長の約10倍以上あった方がよいでしょう。
リクガメ飼育
●それでも運動量がまかなえられない場合は、部屋の中で歩かせる方法もとられています。
●カメに広いスペースを与えることは、採餌、攻撃や威嚇、繁殖や求愛などの本能的な行動を発揮できるだけでなく、運動量が増えることで筋肉や骨が丈夫になり、胃腸の動きもよくなり、消化管のうっ滞や便秘なども予防できます。

リクガメは結構歩きます!どのようにして運動量を増やしましょうか?

床敷にはデザートサンド、ピートモス、ヤシガラ土などの土砂系やウッドチップやパークチップなどの植物系を使用しますが、便宜性を優先的に考える場合は新聞紙などの紙やペットシーツでもよいです。

カメ黒土床敷

黒土

カメウッドチップ床敷

ウッドチップ

 

 

 

 

 

 

カメパークチップ床敷

パークチップ

●神経質な個体では体が隠すスペースが必要です。素焼きの植木鉢や市販のシェルターを設置してください。特にヨツユビリクガメは地面に穴を掘って、その中で過ごす習性があり、床敷を厚く敷くかシェルターを必ず用意してください。
リクガメシェルター

1-2温度・照明

●カメの種類によっては日本の夏は暑すぎたり、湿度も高くなりがちです。冬は寒すぎたり、乾燥し過ぎることも多いです。温度と湿度の設定が難しいです。
●ケージ全体に爬虫類用紫外線ライトを設置し、爬虫類用赤外線ライトをケージの端につけて照射して局所的に高温の部分を作り、カメの体温を上げるホットスポットを設けます。

リクガメの飼い方

太陽光=紫外線ライト+赤外線ライト

ライト類の設置はきちんとできていますか?

●一般的にリクガメの至適環境温度域は、ケージ全体を28~32℃、ホットスポットを33~38℃にし、温度勾配をつくってください。補助的に保温球やヒーターを使うこともあります。
●温度はしっかりと温度計で測定するべきです。そして、昼夜の温度変化に対して心配ならば、サーモスタットで温度調節することも可能です。
●カメはホットスポットによって至適体温になると活動的になり、体温が上がりすぎると、温度の低い場所に移動します。
ホットスポット
体を温めるホットスポットをつくりましょう

●ライト類は朝に点灯し、夜間は消灯します。冬になると夜は気温がさがりますので、保温球やヒーターなどで補助的に保温対策をします。成体では夜に多少温度が低くなっても問題ありませんが、幼体ではなるべく昼と同じ位の温度を保つようにしましょう。
●薄明薄暮のビルマホシガメは明るすぎる環境が苦手で、爬虫類類赤外線ライトは輝度が低いものを使用し、パネルヒーターなどでホットスポットの温度を設けるとよいです。
●季節的に屋外にカメを出せる春~秋であれば、昼間に太陽光を浴びさせてください。しかし、夏の熱中症や熱射病などには注意してください。

カメ屋外飼育

太陽光に勝るライトはありません

●紫外線も赤外線もでるメタルハライドランプは便利です。メタルハライドランプを使用する場合はケージの端に照射してください。
●ギリシャリクガメの一部、ヒガシヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメは11月頃から冬眠に入りますが、飼育下で冬眠させるかは、飼育者の考え、ならびにカメの状態にもよります。冬眠させない場合は、屋内にて適温で飼育してください。
●幼体から飼育する場合、小さいケージでは温度勾配をつくることが難しく、一方で広いスペースでは温度設定が難しいです。
冬眠させるかは飼い主の選択になります。冬眠させた方が長生きするという考えもあります。しかし、幼体、体重が軽いカメ、病気のカメなどは冬眠させなずに、冬も保温して飼育してください。

冬眠させますか?その話はコチラ

1-3湿度

●陸生というイメージが優先して乾燥しがちな飼育環境をつくりたがりますが、最低の湿度を保つことも考えてください。

リクガメにも湿度が必要です!どのようにしましょうか?

表:湿度

湿度 種類
多湿 60-80% アカアシガメ、エロンガータ、セオレガメ、ムツアシガメ、
インドホシガメ、ビルマホシガメ、ゾウガメ等
やや乾燥 50-60% フチゾリリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメ等
乾燥 40-50% ケヅメリクガメ、ヒョウモンガメ、チャコリクガメ、ソリガメ、
ギリシャリクガメ等

●理想の湿度は40~80%で、湿度が不十分で脱水が起こると、脱皮不全、消化管のうっ滞、腎不全ならびに痛風、膀胱結石の発症要因になります。日本では夏は湿度が保てますが、乾燥する冬は温度を上げるために保温もするため、湿度を保つことができなくなります。
●湿度を保つためには、飲水用の水容器をケージ内におくだけでも多少は上がりますが、床敷で保湿性のあるヤシガラ土などを敷くのも一方法です。
●ホシガメ類は雨季と乾季がある地域に生息しているため、湿度に関しては様々な論議がなされています。基本的には乾燥した環境で飼育して朝夕に散水などの過湿の策をとる、あるいは雨季の期間が長く乾季は非活動的になるため、多湿な環境(湿度は60~80%)を作るべきともいわれています。

1-4温浴

●リクガメは陸で生活していて、ほとんど水に入ることはありません。しかし、ペットでは温浴をすることが勧められています。温浴をすると甲羅もきれいになり、そして食欲も出てきて、動きが活発になってきます。同時に水を飲むために、便秘になりがちのリクガメでは排便もるようになります。

湿度の確保に自信がない時は温浴?

リクガメの温浴は賛否両論で、してはいけないという考えも出ていますが、衰弱しているカメではおぼれさせないこと、そして、長時間の温浴でお湯が冷めて体が冷えないようにすれば問題ないと思います。
リクガメ温浴

1-5屋外飼育

●大きく成長すれば、ベランダや庭にカメを放して飼うことができます。
●屋外飼育は自然に近い環境で生活が送ることができます。太陽による自然光の恩恵をうけられ、自らエサや休む場所を求めて移動し、かなりの運動量になります。骨や筋肉がしっかりとするだけでなく、胃腸の動きもよくなります。リクガメにとって理想的な形だといわれています。
庭飼育
●屋外飼育は簡単に出来ることではなく、様々な準備が必要になり、注意することもたくさんあります。
●今まで屋内のケージで飼育していたリクガメを、突然屋外飼育に切り替えるのは危険です。週に数回屋外に出す時間を設け、徐々に慣らす必要があります。病気のカメや幼体は、無理して屋外で飼育しないでください。
●ベランダでの飼育の場合、脱走しての落下事故が多く聞かれます。ベランダの周りを囲うなどの対策が必要です。また、庭での放し飼いをする時は脱走に注意してください。
ベランダ飼育
●庭で飼育する場合、リクガメによっては土を掘って脱走することもあるため、地中も30㎝ほど壁を埋めておくなど脱走対策が必要です。地面を掘ることを好むヨツユビリクガメでは注意してください。
●犬や猫、鳥などの外敵からの攻撃にも注意しなければなりません。囲いを設けたり、金網で覆ったりするような対策が必要かもしれません。

●庭での飼育は、芝や草が生えた庭が理想で、日蔭となる低い植物などがあるとよいです。ベランダでは日が当たる場所と日陰を作り、床がコンクリートの場合は、床敷が必要になります。床敷を直にベランダの床に敷くと熱がこもるため、底上げ出来るものを用意してください。庭やベランダ飼育は、水が飲める環境も考えてください。
庭飼育 リクガメ庭飼育
●人の目が届かない所で、くず鉄、釘、針金、プラスチックの破片、小石などを食べると消化管閉塞を起こす可能性があるので注意してください。
●庭に生えている植物をカメが食べる場合は、農薬や殺虫剤の散布はしないようにしましょう。
ギリシャリクガメ
●庭で飼育すると、冬になるとカメが自然に穴を掘って冬眠することもあります。どこで冬眠したのか分からなくなりますので注意してください。もし、冬眠させる場合は、室内飼育に切り替えて行うことをお薦めします。

2エサ

●陸生のカメの多くが草食性で、野菜を主食として与え、具体的にはカルシウムの含有量が高く、他の爬虫類と異なり、カルシウムとリンの比率も4:1~6:1のものが理想です〔Donoghueet al. 1996〕。果物は嗜好性が高いですが、与え過ぎには注意してください。
緑黄野菜 リクガメ採食 リクガメ採食

リクガメにはカルシウムが多く必要?

●カルシウムやミネラル不足は、紫外線不足と同様に甲羅や骨の成長に影響するため、カルシウムをはじめとする栄養剤をエサに添加する方法が定説となっています。カルシウムが欠乏すると成長不良や代謝性骨疾患になり、甲羅が柔らかくなり、甲羅や骨が変形します。
●ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメなは石灰岩の多い地中海沿岸に生息し、カルシウムが豊富な河川の水や土壌で育った植物を食べています。
●ビルマホシガメは昆虫や軟体動物も食べることがあるため、少量与えてもよいですが、無理に与えなくてもよいです。
●エサは、幼体および成体ともに毎日与えてください。1回に与えるエサの量は、実際にはカメの年齢や気温などに左右されるため、カメの様子をみて加減してください。
●野菜や野草はしおれたり、糞や尿がついてよごれるため、食べ残しはかたしてください。
●多くのリクガメは昼行性であるため、エサやりは午前中が理想ですが、少なくとも消灯の2~3時間前には与えるようにしてください。
●リクガメ用のペレットも市販されていますが、タンパク質の含有が多く、給餌に関しては賛否両論です。

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参考文献

■Bertolero A,Cheylan M,Hailey A,Livoreli B,Willemsen RE.Tetudo hermanni-Hermann’s Tortoise. Conserbation biology of fresh water turtles and tortoises.CRM5(4).059.1-20.2008
■Buskirk JR,Keller C,Andreu AC.Testudo graeca Linnaeus,1758-Maurische Landschildkröte.Handbuch der Reptilien und Amphibien Europas. 3.125-178.2001
■Donoghue S,Langenberg J.Nutrition.In Reptile Medicine and Surgery.Mader DR.WB Saunders Company.Philadelphia.p148-174.1996
■Ernst CH,Barbour RW.Turtles of the World.Smithsonian.inst.Press.Washington DC.1989
■Eendebak BT.Incubation period and sex ratio of Hermann’s tortoise,Testudo hermanni boettgeri. Chelonian Conservation and Biology 1(3).227-231.1995
■McKeown S.General husbandry and management.In Reptile medicine and surgery.Mader DR ed.WB Saunders.Philadelphia.p9-19.1996
■Pieau C.Effets de la température sur le développement des glandes génitales chez les embryons de deux Chéloniens, Emys orbicularis L. et Testudo graeca L.C.R.Acad.Sci.Paris274(D).719-722.1972
■安川雄一郎.チチュウカイリクガメ属の分類.クリーパー.創刊号.クリーパー社.東京.p4-19.2000
■安川雄一郎.ホシガメの分類と生活史,およびその現状.クリーパー7.クリーパー社.東京.p4-17.2001
■安川雄一郎.チチュウカイリクガメの分類.クリーパー13.クリーパー社.東京.p4-23.2002
■安川雄一郎.ゾウガメと呼ばれるリクガメ類の分類と自然史(後編).クリーパー33,クリーパー社,東京.p16-29,32.2006
■安川雄一郎.旧リクガメ属の分類と自然史1.クリーパー59.クリーパー社.東京.p51-59.2011

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