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小鳥のマニアックな飼育(完全保存版)

 2018/11/08 この記事は約 20 分で読めます。
セイセイインコ

セキセイインコ.オカメインコ.ボタンインコ.コザクラインコ.ブンチョウ.カナリア.ジュウシマツの飼育

●鳥は飛ぶ動物です。飛ぶように体ができていますので、広い空間で飼育するのは当然です。飛ぶことで筋肉や骨がしっかりとします。

鳥は飛んでなんぼです!

●野生の小鳥は天敵に被捕されることが多くで、犬や猫がいる部屋はもちろん、騒音があるような落ち着かない環境ではストレスになります。狭いケージでもストレスがかかり、単独飼育では社交性がなくなり、毛引きなどの問題行動になることが多いです。
●普段はケージで飼育し、部屋の中で放鳥する時間を設けることが理想的ですが、放鳥する場合は飼い主の目の届く範囲で行ってください。放鳥すると、部屋の中で事故や異物の食べての中毒などが数多く報告されています。
●複数飼育や繁殖目的の場合は、特に大きいケー ジを用意してください。

1飼育頭数

●群れで生活するため、複数で飼育することも可能ですが、相性や繁殖計画を考えてください 。なお、ジュウシマツは複数で飼育したほうが喜びます。

●集団飼育で注意するのはオスのブンチョウです。性格がきついうえ、縄ばり意識が強いため、幼鳥から群れで飼わないと同居は難しいです。単独あるいは仲がよい番が理想です。
●コザクラインコとボタンインコは攻撃性が強いため、他の種類の鳥と同居することは避けてください。ケージ越しに相手を攻撃することもあります。
●単独飼育のケージに新たな鳥を同居させる際には、様々な細菌やウイルス、クラミジア(オウム病)などが蔓延するおそれがあります。検疫(鳥の健康診断)を行ってから、導入するのが理想です。

2ケージ

●一般的には金属製の金網でつくられたケージが衛生的なため、多く使用されています。

  

●アクリルやプラスチック製の水槽タイプのケージもあります。保温性に優れていますが、湿気がこもりやすいという欠点があります。壁が透明であるため、鳥が衝突するような事故の話も聞きますので、注意してください。

●大きさは最低でも翼を広げて止まり木の間を飛び移ることができる空間が必要になります。特に尾羽が長いオカメインコでは、尾羽が床に接して傷つかないような十分な高さが必要です。


●鑑賞用の鳥のケージも多数販売されていますが、多くが使い勝手が悪かったり、耐久性が悪いです。竹かごは、和鳥の飼育で使用されています。翼や羽毛を傷つけにくくできていますが、スペースが狭いことが欠点です。
  
●ケージ内にはエサ入れ、水入れ、止まり木などを設置してください。ケージ中がマンネリ化しないように、容器の位置を定期的に変えたり、止まり木の素材や形を変えることもお勧めします。しかし、臆病な性格の鳥の場合、ケージ内を大きく変化させないほうがよいこともあります。
●フィンチでは繁殖を目的とする際には、庭箱(にわこ)と呼ばれるケージが使用されることがあります(江戸時代から日本ではよく使われていたそうです)。庭箱は前面が金網張りで、その他の面は板張りになっており、鳥を落ち着つく環境になっています。

3止まり木

●止まり木は鳥が生活の多くの時間を過ごす重要な場所です。木製やプラスチック製の商品があります。止まり木の太さは、鳥が止まった状態で爪の先端が止まり木に触れる程度がよいです。
 
●プラスチック製の止まり木は衛生的ですが、硬いものが多く、足の裏にタコができたり、ケガを負う恐れがあります。
 
●止まり木は、つかむ以外にもクチバシを擦りつけたり、齧ることで長さを調節する役目もあり、木製のものがお勧めです。齧る行為はクチバシの磨耗以外に、ストレスの解消にもつながります。太さが異なる止まり木は、鳥にとって止まりやすい場所を選んだり、爪やクチバシを擦ったり、バリエーションが増える利点があります。
  
●基本的にケージの手前と奥に段差を設けて2本位の止まり木を設置します。尾羽がケージの床やなどに当たらないよう十分な間隔をとってください。ケージの入口にエサや水入れを設置している場合は、その前に止り木を1本設置すると食べやすくなります。一般的に鳥は高い方の止まり木で休みます。

理想的な止まり木は、足に優しく、齧ったりもできるのがこれ↓

3エサ入れ・水入れ

●エサや水入れは鳥がとまっている止まり木の近くに設置すると、飲みやすいくなります。ケージの入り口近くに設置した場合は、わずかではありますが運動になります。
●ケージセットを購入したらその付属品としてエサ入れと水入れがついてくることがほとんどです。付属品としてのエサ入れは、ほとんどか広口で深いものです。
●広口の深い容器だと、鳥がエサ入れに入ってしまい、排泄をして汚すことがあります。
  
●エサ入れは、深さがあまりない半月のエサ入れを使うことをお勧めします。半月のエサ入れのメリットは、2~3日分のエサしか入れられないですが、衛生的にもよく、食べたエサの量がはかることができます。

●葉野菜を入れるための菜挿し(なざし)や、ボレイ粉などを入れる小型の容器もあります。
    

半月の浅いエサ入れがベスト

●容器には、形状やカバーの有無など様々な商品があります。複数飼育などで容器内に排泄されて不衛生になる場合や水浴びを好むフィ ンチでは、カバー付き、外付け式などのエサ入れや水入れを使用します。
  
●エサ入れや水入れの位置を考えて、止まり木にとまっている時に排泄物が入らない位置に設置してあげましょう。

4温度・湿度・照明

4-1温度

●健康な鳥ならば、猛暑の夏や極寒の冬を除いて屋外で飼育したり、過度な温度管理が不要かもしれません。多少の暑さや寒さに慣れて元気に過ごせますし、体に負担をかけない範囲で季節の変化を感じてもらうことも大切です。一年中、同じ温度・湿度を保っていると、換羽が長く続いたり、発情が起きやすくなります。しかし、日本の冬は10℃以下になることが多く、季節による気温変化が激しい時は注意、真夏や真冬はきちんと温度を管理したほうがよいでしょう。

多少の季節感を味わってもらうワイルド飼育!

●野生の鳥は一日の内でも温度差がある中で暮らしていますが、ペットの鳥は急激な温度差は体調を崩すくことが多いです。生後1才未満で初めて冬を越す鳥、病気の鳥や老鳥は、温度管理が必要になります。体の負担を軽くするためにもしっかりと温度管理をした飼育がよいです。

徹底温度一定管理飼育?

●温帯から熱帯にいる鳥なので、理想的な温度は 25~30℃(最低 20℃以上)です。病気の鳥では、体重や栄養状態にもよりますが、29.4~32.2℃の環境温度が必要となります〔Harrison et al.1986〕。
●冬はエアコンにより部屋全体を暖 めたり、パネルヒーターなどをケージの横や下に設置してケージ全体を暖めてください。簡易的にはケージにビニール、布、ダンボールを被せることにより、 ある程度は適温に維持できます。
  
●真夏は熱射病や熱中症などが起こるため、エアコンやクーラーを設置してください。
●健常体では、32.2℃以上の環境温度では、両翼を広げて熱の放散を行い、速い呼吸がみられるといわれています〔Harrison et al.1986〕。

温度管理をしないワイルド派?徹底温度管理の過保護派?

4-2湿度

●本邦では冬季は乾燥するため、適度な加湿 も行わなければならなりません。乾燥地帯に棲息す るセキセイインコやオカメインコは乾燥した環境を好みますが、熱帯に生息るボタンインコ やコザクラインコでは、加湿機などを設置してください。

4-3照明

●オウムやフィンチの多くは昼行性で、日の出とともに活動してエサを食べ、夜は睡眠をとります。このサイクルは性ホルモンや体調を維持する上で重要です。
夜も明るくしていると結果的に日照時間が長くなり、発情が起きやすくなり、メスでは卵巣や卵管疾患が好発します。またストレスにつながる可能性もあります。特に屋内飼育では、光のリズムを考える必要があります。
●日没後は消灯して静かな環境にしましょう。遮光カバーなどをケージに被せることで、適切な暗さに調節 できます。

夜はしっかり寝かせてください

5食事

●セキセイインコ、オカメインコ、コザクラ インコ、ボタンインコ、カナリアは種子を主食とする穀食 性、ブンチョウとジュウシマツは種子が主食で、時に昆虫などを食べる雑食性です。

●種子を主食とする方法と完全栄養食であるペレットを与える方法があります。

種子派?ペレット派?もちろんペレットですよね?

5-1種子

●インコ・オウム用やフィンチ用 として一般的に販売されている種子のエサは、色々な種子が配合された混合餌です。その種子の比率は、鳥の種類、季節的要因、繁殖期、換羽期、成長段階などが考えられて、異なった割合になっています。しかし、種子だけでは栄養が偏るために、野菜を与えたり、ビタミン剤を水に入れたり、ボレイ粉などのミネラルを与える習慣があります。しかし、混合された種子がエサであると、鳥は好きな種子しか食べず、つぎ足されるエサを鳥が待っているという悪循環になっています。

●種子のエサは、ヒエ、アワ、キビ、カナリアシードが中心となって配合され、粗タンパクは約 10%、粗脂肪は2~5% ですが、炭水化物(澱粉)が豊富で、80~90%を占めます〔須藤浩 1981〕。種子は炭水化物が多いため食べすぎるとカロリー過剰になり、肥満の原因になります。理由は不明ですが、特にカナリアシードは好んで過食する傾向にあります。
●ナタネ、エゴマ、朝の実、ヒマワリなどの脂肪が多い種子は、どの鳥においても嗜好性がよく好んで食べてくれます。脂肪の種子は粗タンパクが20~30%で〔須藤浩 1981〕、 必須アミノ酸もバランスよく含まれ、優れたエサです。成長期のヒナや幼若鳥、繁殖期や換羽期には、配合する量を増やしてください。しかし、脂肪が多いのが欠点で、食べすぎると肥満や脂肪肝になります。

肥満

脂肪腫

 

 

 

 

 

 

●鳥の基礎代謝率は哺乳類よりも高く、小型の鳥ほど高くなります。特にフィンチ(ブンチョウやジュウシマツなど)の基 礎代謝率は高く、他の鳥と比較す ると約50~60%高いです〔Walsberg 1983〕。したがって、フィンチの混合餌は、ナタネやエゴマなどの種子が多く配合され(黒色にみえる種子)、オウム・インコ用と比べてカロリーが高くなっているのです。

●いずれの種子をエサにした場合は、全ての種子をまんべんなく食べることが理想です。3日くらいのエサを半月状の浅いエサに入れて、すべてを食べてから追加のエサを足す方法をお勧めします。そして、種子に欠乏している ビタミンやミネラルなどの栄養素は、野菜やビタミン・ミネラル飼料などを与えて補ってください。

種子エサは全てを食べきってから足してください

●カナリアでは羽毛の色を明瞭にするた め、色揚げ用のカロチンなどの色素が餌の中に含まれ(増色餌)、色揚げ剤とともに脂肪が多い種子を多く与えると、色素が油分とともに肝臓や体腔内脂肪に蓄積し、肥満や脂肪肝が好発します。基本的にフィンチ用のエサを与え、βカロチンが含まれている緑黄野菜を与える自然なエサを与えてください。
種子の蛋白質は必須アミノ酸のバランスが悪いため、種子を主食にすると、成長不良、羽やクチバシの変形(栄養性嘴羽毛形成不全)などが起こります。

●種子は殻つきと剥いたもの(剥き餌:むきえ)が販売されていますが、剥き餌は夏の湿気で腐敗が早い、殻つきは胚芽の栄養、殻を剥く行動喚起などを考慮すると、殻つきの種子の方が望ましいです。また、粟穂と呼ばれる穂軸についたアワの実などは鳥がついばむ行動を施し、ストレス対策にもなります。
  

5-2ビタミン・ミネラル飼料

●種子を主食としている鳥では、栄養のアンバランスが起きやすいため、補助的にエサや水入れにビタミン・ミネラル剤、酵母剤 (アミノ酸)を添加したり、カルシウムやミネラル補助食を与えることが勧められています。
●総合ビタミン・ミネラル剤が主体ですが、脚弱などの鳥にはビタミンBが強化されたもの、換羽期にはアミノ酸が強化されたものなどがあり、目的別に使用するとよいでしょう。
●種子の多くはカルシウムとリンのバランスが悪いため、ボレイ粉(牡蠣粉)やカトルボー ン(Cuttlebone:イカの甲を干した物)などのカルシウム補助食を与えます。ボレイ粉はカルシウムの補給以外にも、グリットと呼ばれる胃の中の砂粒になり、エサを細かくすり潰す働きをします。ボレイ粉は色がついているものもありますが、その色素には信頼性がないので、無色のものを使ってください。

ボレイ粉は色がついていないもの!

●カトルボー ンはインコ・オウム向けのものです。フィンチのクチバシでは崩すことができずに食べることができません。

●塩土は赤土に砂、ボレー粉や塩分を若干加 えて乾燥させたもので、ミネラルの補給として与えます。オウム・インコではクチバシの伸びすぎの予防にも役立ち、フィンチに与える場合は砕く必要があります。ただし、塩土は塩分が多いため多飲多尿になる傾向があり、積極的にはお勧めしません。

塩土は控えてください

5-3野菜

●ビタミン・ミネラルが豊富でバランスがと れたコマツナ、チンゲンサイ、ニンジン、ダ イコンの葉などの緑黄色野菜を菜挿しに入れて与えてください。

●レタスやハクサイなどの淡色野菜は相対的 にビタミン・ミネラルの含有は低いですが、水分の補給になります。
●ホウレンソウに含まれるシュウ酸は カルシムと結合し、カルシウムの吸収を阻止 することから避けたほうがよいです。アブラナ科のキャベツなどの野菜は甲状腺の原因となるゴイドロゲンという物質が含まれているため、あまり多くは与えないでください。
果物は甘味が強いため嗜好性が高いが、肥満や糖尿病の原因にもなるので可能な限り控えましょう。

5-4栄養

●栄養素の推奨値についての報告は以下のような報告があります〔独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 編 2009〕。

種類 粗タンパク 粗脂肪 エネルギー
オウム目 12% 4% 320 kcal/100 gのエサ
スズメ目 12% 4% 350 kcal/100 gのエサ

●ヒナや幼若鳥、換羽期などでは、粗蛋タンパクは約20%が必要とされています〔Roudybush et al.1986〕。
●蛋白質は成長に不可欠な栄養素で、必須アミノ酸のバランスも優れています。成期のヒナや幼若鳥では、成鳥や老鳥と比較して 高蛋白質のエサが必要で、繁殖期や換羽期の成鳥も蛋白質を多く必要とします。
脂肪はエネルギー源となりますが、過剰に摂取 すると肥満や脂肪肝などの問題を起こしますので注意してください。皮下脂肪が沈着すると、飛ばなくなったり、羽が抜けたりするような症状もみられます。

5-5ペレット

●栄養の不均衡が解消されない時は、完全栄養食であるペレットの給餌が好ましいです。鳥の種類によって大きさや形状が異なります。また、幼若鳥用、繁殖期や換羽期用のペレットもあります。主食がペレットであれば、ビタミン・ミネラル飼料や野菜を与える必要性は低くなります。しか し、種子を主食とする鳥では、ヒナや幼若鳥の時からペレットを給餌しないと、切り替えは難しいです。
●ペレットは甘い糖質が配合されていないものが理想です。栄養素もバランスよく含まれて、カロリーも低い商品が理想です。国産で安心できるペレットはイースター社の商品です。青色のトータルペレットは普段与えます。赤色のバイタルペレットは幼鳥、換羽の時、病気で体重を増やしたいときに与えます。

 
●ペレットは種子よりもおいしくないので、なかなか食べてくれません。食べてくれる方法は、コチラ!

5-6水

●セキセイインコとオカメインコは乾燥地帯に生息しているので、基本的にあまり水を飲みませんが、毎日新鮮な水を与えてください。
●水入れの中の水は、ホコリやエサの殻、排泄物、羽などが入り、すぐに汚れてしまいます。また、鳥水入れに入ってしまうこともあります。最低でも1日1回は水の交換をしてください。

6ケア

●ケージの中に鳥をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。
●鳥が持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、動物はそれぞれ生息地に適応した体の特徴や生態を考えてください。

●飛ぶ動物ですが、飼育での最低の運動量や飛ばせる時間の一概に定まっていません。
●複数の止まり木や玩具などを使い、ケージ内が立体的に動けるような環境を考えてください。
●野生では、一日の餌を探して食べることに費やしていますが、飼育下では容易にエサが手に入り、残りの時間を退屈に過ごすことになります。鳥が野生本来の採食行動を発現できるよう、エサの種類を増やしたり、与え方を工夫したり(粟穂、殻付きの種子)、回数を増やすなどの工夫をしましょう。
●群れで生活をしている鳥は、個体同士のコミュニケーションが必要ですが、一羽で飼育している場合は、飼い主とのコミュニケーション(鳥との会話)が必要となるかもしれません。しかし、臆病な鳥では人を怖がることもあります。ヒナの時から人に馴れるように手乗りで育てるとよいでしょう。
●玩具や鏡などは、ストレスの予防になりますが、発情の誘因となり、特にメスでは過剰な産卵や卵巣・卵管疾患になるおそれがあるのが欠点です。
●一般的に鳥は自ら羽つくろいをし、クチバシや爪を止まり木に擦りつけて摩耗します。しかし、クチバシや爪が過長した時は、クチバシや爪を切らないといけません。
退屈でないように変化や刺激が鳥に必要?しかし発情しやすくなるのが欠点(涙)

6-1放鳥

●放鳥は 壁紙や柱、電気コードなどを齧ることによる 異物摂取や事故、ネコなどによる襲撃、重金属、観葉植物などを齧ったこ とによる中毒を起こす可能性もああります。
●放鳥の際に逃亡しな いように翼を切ることもあります。

6-2遊び

●オウムは人と意思伝達ができるくらいに知能が高く、人とのコミュニ ケーションを好む鳥もいます。フィ ンチも手乗りにすると、人に馴れて手のひらで休むようになります。

6-3クチバシ切り

●クチバシのケラチンはアミノ酸から構成されており、栄養のアンバランス(種子の主食)、肝機能低下などに より変形や変性が起こります。
●クチバシの成長が咬耗よりも早いと、過長することがあります。クチバシは固いものを齧って摩耗するのではなく、歯ぎしりのように上下を擦り合わ せて咬耗して調節するため、基本的には切る必要はないはずです。
●人と接触する上 で、噛み癖がある鳥では先端部分を切削することもあります。クチバシには血管が走 行しているため、切りすぎないように注意してください。基本的にはクチバシが変形したり、長くなったら動物病院できちんと診断してもらって処置をするべきでしょう。
 

6-4翼の羽切り

●部屋の中で放鳥する時に、鳥が窓から逃げるのを防ぐために、翼の羽を切ることがあります(クリッピング:Cliping)。しかし、クリッピングについては賛否両論です。
●羽をクリッピングすることで、鳥は飛べなくなります。しかし、飛ぶのは鳥の本能で、人の都合で羽を切るのはよくないと考える人も多いようです。運動不足になりがちといった弊害もあります。鳥の健康や安全のために、どうしても必要と判断される場合のみ、クリッピングをすることをお薦めします。
●クリッピングの方法は、風切り羽を雨覆(あまおい)と同じ長さに切ります。切り方が中途半端だと、短い距離だけなら飛んだりすることもあります。 筆毛や血管が走行している幼若な羽を切ると、出血するので注意してください。しばらくすると羽は伸びてくるので、クリッピングは繰り返す必要があります。
あなたは鳥の羽をきる派?切らない派?

6-5爪切り

爪が伸びすぎると、止まり木をつかみづらくなり、放鳥時には絨毯などに爪が引っかか り、折れて出血することもあります。また、飼い主が爪の伸びた鳥を手に乗せていると痛いと感じることがあります。
  
●爪切りはとても難しいので、無理して飼い主が行わないでください。爪を切る時には、足首ではなく、1本ずつ指を持ち切ってください。しかし、爪の内部には血管が通っている部分があり、血管を切らないように注意してください。
  

  

6-6水浴び

●フィンチは水浴びをする習性があるた め、水浴び用の容器を用意してください。
 
●陶器製の小判型の容器が安定性に優れるた め、よく利用されています。
●ケージ内が水浸しになる時は、ケージ外に 設置できる外付け式や、跳ね水防止用のカバー付きの容器を使用してください。

7手乗り

●手乗りとは、鳥が人を怖がらない状態で、人に完全に依存した生活を送るようにな ることです。
●鳥は人に馴れ、飼い主に近寄ったり、エサを求めたりして、コミュニケーションがとりやすくなります。
●人に馴れると、接触する時間が増えて、踏みつける事故が起こったり、人の食物を食べたり、人に対し て求愛行動を示すなどの問題もあります。
●一般的に2~3週齢のヒナを母鳥から離し、 人工給餌(挿し餌)をして育てることで、手乗りの鳥にします。
●ヒナは畚 (ふご、 ふんご)、 升籠(ますかご) 、プラスチックケースなどに入れて薄暗い環境をつくり、適切な温度管理を行います。
●ヒナは低温になると体調を崩しやすく、最低で も25℃以下にならないように温度管理をしてください。
●挿し餌は、昔から剥いたアワ(粟玉)が使用 されています。粟玉は熱湯でゆがいて水分を切 り、卵黄や青菜、あるいはビタミン・ミネラ ル剤などを加えて与えます。パウダータ イプの人工飼料を溶かして与えたり、それをゆがいた粟玉に混ぜるなどの方法 もあります。ペレットをふやかして与える方 法もとられています。

●ヒナの日齢にもよりますが、挿し餌は水分が多す ぎないように注意し、雛が食べやすいような 柔らかさにしてください。
●オウムやインコはスプーン、フィンチはスポイトを使用して挿し餌を与えます。
  
  
●挿し餌の温度は約40℃が目安で、冷えたら温め直します。挿し餌の温度が一定でなかった り、水分が過剰であったり、つくり置きによって腐敗してしまったエサなどは、軟便や下 痢、感染症の原因になります。
●挿し餌の回数は、日齢と1回に採食する量 によって変わるります。パウダータイプの人工飼料は流動性が高く、ブンチョウは1日に3~4 回、セキセイインコ・ボタンインコ・コザク ラインコ・オカメインコは1日に2~3回以上を目安として与えてください。
●粟玉やペレットをふやかして与える方法は、回数が少なくてすみます。なお、ペレットをふやかして与える方法はヒナの時はお湯で少しながくふやかし、成長とともにふやかす時間を短くします。この方法で挿し餌を与えると成鳥になってもペレットを100%食べてくれるようになります。

●1回の給餌量は雛が口を開かなくなるま で、あるいはそ嚢が頭約1つ分の大きさに膨 れた程度を目安としてください。

●ヒナは薄暗い巣で育つため、挿し餌をしている時以外は薄暗くしましょう。定期的にヒナの体重測定を行い、体重が増加 していない場合は、量や回数が少ないか、あるいは腸炎や感染症の可能性があります。

●自ら翼を動かしたり、動き回る時間が増え てきたら、挿し餌の回数を徐々に減らし、可能な限り乾燥したエサに切り替えます。

●幼鳥が 自らエサを食べ始めることを一 人餌(ひとりえ)  と呼びます。

 
●乾燥した剥き餌の粟玉を地面に撒いたり(撒き餌)、小さな容器に餌を入れたりして、幼鳥がエサをつつくようになるかを観察してください。徐々に挿し餌の催促が減り、体重も維持しているようであれば問題ありません。

8巣引き

●飼鳥を繁殖させることは巣引きと呼ばれています。相性がよく、年齢が近い雌雄の番を同居させて、巣を用意してください。
●栄養価の高い脂肪種子を多く与えると発情を促します。産卵に備えてビタミンやカルシウムなどを十分に補給してください。
●発情徴候がみられ、交尾を確認したら、ケージの移動や掃除は極力避けてください。その後、メスが巣籠りするようになると産卵がはじまります。
●冬の巣引きは卵塞や低温によるヒナの死亡などのリスクが高いため、避けたほうがよいです。
●巣箱は鳥の種類によって異なります。セキセイインコやオカメインコは木製の巣箱ブンチョウやジュウシマツは壺巣、カナリアには皿巣を用いるとよいです。

箱巣

皿巣

 

 

 

 

 

 

●巣材としてワラ、牧草、シュロ、紙などを与えると営巣を始めます。なお、セキセイインコはあまり営巣しないのが特徴です。

 

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参考文献

■Harrison GJ,Harrison LR.Clinical avian medicine and surgery.WB Saunders Company.Philadelphia.1986.
■独立行政法人.農業・食品産業技術総合研究機構 編.日本標準飼料成分表.2009.
■Roudybush TE,Grau CR.Food and water interrelations and the protein requirement for growth of an altricial bird, the cockatiel (Nymphiccus hollandicus). Journal of Nutrition. 116(4).552-559.1986
■Walsberg GE.Avian ecological energetics.In Avian biology7.Farner DS,King JR,Parkes KC eds.p161-220.Academic Press.New York.1983
■須藤浩.飼料学講義.養賢堂.東京.1981

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