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【病気情報】ヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム感染症

 2018/10/30 トカゲ この記事は約 5 分で読めます。

いま話題のクリプトについての検査と治療について

クリプトスポリジウムとは?

●クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)とは原虫と呼ばれる寄生虫の仲間です。人を含む哺乳類から爬虫類、魚類にまで広く寄生することが知られています。
●爬虫類、特にヒョウモントカゲモドキでのクリプトスポリジウムの寄生による、食欲不振や下痢を起こし死亡することが話題になっていますが、他にもヘビにも胃炎が起こります〔黒木ら2002〕。
●爬虫類に寄生するクリプトスポリジウムは以下の2種類が有名です。
C.serpentis (ヘビ・トカゲに寄生)
C.saurophilum (トカゲに寄生、まれにヘビ)
●この 2 種以外に複数のクリプトスポリジウムの存在が報告されています 〔Upton 1989〕。しかし、いまだ寄生する種類やどの爬虫類に発生するのかなど分からないことも多いです〔da Silva et al.2014〕。
●クリプトスポリジウムと診断された幅広い爬虫類を考えると、ほとんどのヘビやトカゲの種が感染する可能性が高いです。年齢や性別は、爬虫類のクリプトスポリジウムでは知られていません。なお、一個体に複数の種類のクリプトスポリジウムが寄生することもあります〔黒木ら2002〕。
●動物の胃や腸の粘膜にクリプトスポリジウムは寄生し、胃炎や腸炎を引き起こします。爬虫類では、最終的に衰弱して死亡することが多いです。しかし、寄生してもしばらくは無症状で、症状がみられると急死することもあれば、数年間にわたり慢性的に経過を示すこともあります。
●糞から感染するため、同居している爬虫類にも感染しますが、元の個体にも再感染することもありえます。
●基本的に爬虫類に寄生するクリプトスポリジウムは、人に感染することはないようです。しかし、エイズなどの免疫不全症などの患者からは爬虫類に寄生するクリプトスポリジウムがみつかっている例もありますので、油断ができません。

ヘビの胃炎

●ヘビに感染すると胃炎が起こり、食欲不振、吐き戻し、下痢や軟便、体重減少がみられます。

●胃の寄生により炎症がおこり、胃が肥厚するのが特徴です。

ヒョウモントカゲモドキの腸炎

●ヒョウモントカゲモドキに感染すると、主に小腸に寄生し、食欲不振、下痢や軟便、体重減少がみられます。脂肪のついた尾が細くなってくるのでよくわかります。
ヒョウモントカゲモドキ
●ヒョウモントカゲモドキ以外にも、ニシアフリカトカゲモドキ、モニター類、カメレオン類などのトカゲにも感染します。

クリプトスポリジウムの診断は?

●クリトスポリジウムと同じ症状を起こす病気との鑑別することから始めます。低温飼育、不適切なエサの大きさ、ストレス、および異物による消化管閉塞などもよくみられます。
●糞便検査でオーシスト(原虫の生活環におけるステージの1つ)を発見することで分かることもありますが、検査を行っても1度では発見できないケースが多いです。数回検査を行ってもみつからないことも珍しくはないです。
●胃洗浄液や内視鏡による胃や腸の組織を採取する検査もありますが、検査自体が動物への負担が大きいで、お勧めできません。
●確実な診断は、吐いた吐物や糞を用いた遺伝子検査をお勧めします。動物への負担もなく、一回の検査で診断ができます。
●遺伝子検査とは、糞から行う検査なので、全く動物には負担がかかりません。しかし、現在はどこの動物病院でもできるだけものではありません。

遺伝子検査を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

Dr.ツルが出張診療をしている、山形県天童市、福島県いわき市、埼玉県さいたま市、静岡県裾野市、愛知県豊田市でも遺伝子検査が可能です。病院詳細は、エキゾチックペットクリニックのホームページを参考にしてください

→遠方で相談したい方はDr.ツルのエキゾチックペットクリックでは、LINE@で、対応させて頂いています。エキゾチックペットクリックのホームページからLINE登録してください(返信遅くなったらごめんなさい)。

クリプトスポリジウムの治療は?

●人に感染した場合は完治しますが、爬虫類の感染では完治することはないといわれています。
●有効な薬をありませんが、パロモマイシンという薬がある程度は効果的で、Dr.ツルの動物病院では症状が改善したヒョウモントカゲもいます。
●感染してしまうと完治する薬がないので、予防が大切です。
●クリプトスポリジウムは消毒が効きません。あえていえば熱湯消毒と乾燥になります。
●寄生した爬虫類の糞の始末はきちんとしてください。ケージ、エサを与えるピンセット、エサ入れや水入れ、シェルターなどの器具はすべて熱湯消毒をしてください。
●新しい爬虫類を購入した際は、今までいた爬虫類に感染する恐れがあります。接触させる前にクリプトスポリジウムが寄生しているか、遺伝子検査をすることも必要かもしれません。

参考文献

■da Silva DC,Paiva PR,Nakamura AA,Homem CG,de Souza MS,Grego KF,Meireles MV.The detection of Cryptosporidium serpentis in snake fecal samples by real-time PCR.Vet.Parasitol204.134-138.2014
■Upton SJ, McAllister CT, Freed PS,Barnard SM.Cryptosporidium spp. in wild and captive reptiles. J Wildl Dis 25. 20-30. 1989
■黒木俊郎,宇根有美,遠藤卓郎.爬虫類のクリプトスポリジウム感染.野生動物医学会誌l8(1).27-34.2002

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