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モルモットの知らないといけない知識

 2018/10/17 モルモット この記事は約 9 分で読めます。

まるで宇宙人みたい!変わっている可愛い奴です!

●モルモットはネズミであるげっ歯類の仲間であるが、ハムスターやリスとは異なり、かなり多くの点が相違がある。その相違が特徴でもあり、宇宙人のような特殊な動物である(笑)。

1分類・生態

●モルモットは南米に生息するネズミの仲間であるテンジクネズミを家畜化した動物で、野生にはいません。
  

●古代インディオたちが食用として飼育したのが始まりで、中世のインカ帝国の時代にはヨーロッパに伝わり、動物実験やペットとして飼育されてきました。Guinea pigを日本でモルモットと呼ぶ理由は、19世紀にオランダの商人によって長崎に持ち込まれ、マルモットと呼んでいたこと、また、リスの仲間のマーモット(Marmot)に似ているために、間違えてつけられた等の諸説があります。

モルモットは食料でした

●モルモットは体の生理機能が人に似ている点が多いこと、容易に繁殖しやすいこと、性格が温和であることなどの理由から実験動物としても数多く飼育されています。
●優しい性格で、噛むことが少ないために、情操教育の目的のために、学校飼育動物やふれあい動物園などで、子供たちとたわむれさせる動物としても活躍しています。
  

  

1-1分類

ネズミ目(げっ歯目)テンジクネズミ科テンジクネズミ属
学名:Cavia porcellus
英名:Guinea pig(オスはboar、メスはsow)、Cavy
別名:テンジクネズミ

1-2分布

ペルー南部、ボリビア南部、アルゼンチン北部、チリ北部
モルモット分布地図

1-3身体

●頭胴長:20~40cm
●体重:0.5~1.5kg(一般的にメスよりもオスのほうが大きいです)

1-4生態

(テンジクネズミ)
環境:アンデスのような山岳地帯や乾燥した高地の穴の中で生活をし、高温多湿に弱いです。
行動:夜行性で、昼は巣の中で休み、夕方頃から活動をはじめます。5~10頭の群れで暮らしています。
食性:草食性で、植物の葉、茎、根、実や種子などを食べています。
寿命:6~8年

2特徴

2-1性格

●温和な性格で、臆病で繊細な面もありますが、感受性が豊かで、実際は行動的で、鳴き声や仕草で意思表示をします。
●モルモットは自然界では天敵に食べられる(捕食される)立場であるため、群れで生活をしています。

 

●常に捕食されないように警戒心が強く、物陰に隠れることが多いです。群れの中で体を寄せ合って隠れる習性もあります。一人でいる時でも、固まってフリーズしたように動かない場合は、極端に怯えている時です。
 

●群れの中で生活をするため、仲間同士で積極的にコミュニケーションをとります。複数でモルモットを飼うと、お互いに顔や鼻を近づけ、匂いを嗅ぎ合うような仕草の時は挨拶です。
●好奇心が旺盛で、人懐っこい一面も持っています。飼い主に慣れてくると、自分から甘えてきたりスキンシップを求めてくるようになります。抱っこしたり撫でてあげるなど、愛情表現をたっぷりしてあげると喜びます。

臆病なのか?怖がりなの?でも人懐っこいやつらです

●沢山の種類の鳴き声があり、プイプイ(何かの要求や空腹時)、キュルキュル(甘え)、 キーキーやキュイキュイ(興奮や怒り)、グルグル(不機嫌)、クルルルル(上機嫌)などの声を使い分けています。

●体内でビタミンCを合成できないために、エサから補わないといけないです。体内でビタミンCを合成する(L-グロノラクトン・オキシダーゼ)という酵素を欠乏しているためです〔Guide for the Care and Use of laboratory Animal 1985〕。ビタミンCはストレスがかかったり、病気になると大量に消費されるために、通常よりも多く与えないといけません。

エサからビタミンCをあげてください

2-2身体構造

●三頭身で、頭は体と比べて大きくて丸みを帯びています。
●体は寸胴で短く、足も短くてドラム缶のようです。
●外観上は尾がみえません(短い尾の骨は持っています)。

まるでドラえもん体型です

●指の数は前足は4本、後足は3本です。

前足   

後足

 

 

 

 

 

 

 

 

後足は3本指、妖怪人間ベムみたい

●歯は前歯と奥歯があり、全部で20本です。前歯も奥歯も常生歯で、生涯にわたり伸び続けます。そして、上の奥歯は外側に、下の奥歯は内側に傾いている特徴的な歯列をしています〔Slade et al.1969〕。

  

●オスはお尻の上にある臭腺が目立ち、マーキングや個体識別のために使われています。発情期になると臭腺からの分泌液が増えて、茶褐色の脂っぽいベタベタしたもので汚れ、独特の嫌な臭いを発します。
  
●肛門周囲と臀部には皮脂腺が密に存在し、この分泌液は皮膚や毛の表面をコーティングして保湿の役割をしています。分泌液には独特の臭いがあり、モルモットがくさいといわれる一因になっています。
●乳頭は雌雄ともに後足の付け根に、1対(2個)しかありません。

●胃は深い袋状の形をしており、食道とつながる噴門部(入口)と十二指腸とつながる幽門部(出口)が接近していて、それぞれの直径が細いのが特徴です。このような胃の形のために、モルモットは吐くことができません。

モルモットは吐くことができません

●モルモットの消化器で最も特徴を持つのが盲腸です。お腹の大半を占めるほど大きいです。盲腸にはたくさんの微生物が共存し、繊維の細胞壁を壊し、消化吸収を行う発酵タンクとしての重要な役割をしています。
●薬に対して敏感で、特に抗生物質の内服投与により腸内細菌叢が崩れやすいです。その結果、悪玉菌が増えて腸炎を起こし、下痢や食欲不振がみられます(抗生物質性腸疾患)。悪玉菌が毒素を出して、全身状態が悪化して死亡するようなこともありますので、注意してください。

抗生物質の内服投与は注意して下さい

●盲腸では盲腸便と呼ばれる柔らかい便がつくられ、モルモットはこれを直接肛門から食べ、再び消化吸収します。
●体の大きさに似合わず、大量の糞や尿の量が多いです。

2-3繁殖

●モルモットの雌雄鑑別は他のげっ歯類よりも難しいです。その理由は生殖孔と肛門の距離の差が少ないためです。メスの陰部はY字の浅い溝がみられます(膣溝)。オスは生殖孔が円形をしており、生殖孔に圧力をかければ陰茎が突出させることができます。そして、オスは明確な陰嚢がなく、鼠径輪 も閉鎖していないため、陰嚢はわずかに膨らんでいる程度です。

メスの陰部

 

 

 

 

 

 

オスの陰部

 

 

 

 

 

 

   

雌雄鑑別は難しいっす!

●モルモットは成長が早いため、メスでは約2ヵ月以内で成熟することもあり、早めにオスとメスを分けて飼わないと繁殖してしまいます。
●モルモットは1年中いつでも繁殖することが可能です。
●メスは初産が生後7~8ヵ月を過ぎると骨盤の結合部分が癒合することで骨盤の開きが小さくなり、難産になりやすくなるといわれています。繁殖を希望するならば、早めに初産を経験させましょう。
●メスは発情期に入ると外部生殖器が腫大します。オスが背中に乗るか、背中に手を乗せると、背中を弓なりに反らす仕草をします(ロードシス:Lordosis)。
●繁殖の際にはオスと発情したメスを各1頭ずつにさせますが、雌雄での相性の選択が難しく、相性が悪ければすぐにケンカが始まります。メスにオスを引き合わせるには、まず発情しているメスにオスを近づけます。
●発情したオスはメスの臭いを嗅いで、「グルルル、グルルル」と特有の鳴き声を出します。
●交尾ができているかの確認は、メスの陰部に膣栓がついているか否かで判定できます 。
●妊娠期間は63~72日と、他のげっ歯類と比較して長いです〔Kaiser et al.1986〕。お腹の中で子を大きく育ててから出産するというシステムをとっているのです。

●新生子は、すでに目が開いており、毛も生えて発育した状態で産まれ、姿は大人のモルモットと同じです。そして、既に歯も生えていますので、母親から母乳をもらいながら、柔らかいエサや、ふやかしたペレットなら食べることもあります。最初は柔らかいエサで慣れさせ、離乳するようになったら徐々に固いエサに変えていきましょう。
  

産まれたての赤ちゃんは、すでに毛が生えて自分で動けます

表:繁殖知識

性成熟 オス:約70日齢 メス:30- 45日齢    〔Carpenter et al.1996〕
繁殖形式 周年繁殖
発情周期:15-17日(13-21日)、発情期:1-1.5日 〔Manning et al.1984〕
妊娠期間 63-72日〔Kaiser et al.1986〕
産子数 1-7頭〔Kaiser et al.1986〕
離乳 約21日齢〔Kaiser et al.1986〕

●長生きさせるために、ぜひモルドック(健康診断)を受けましょう。

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健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、モルドック希望と言って、ご予約をおとりください

参考文献
■Carpenter JW,Mashima TY,Rupiper DJ eds.Exotic Animal Formulary 2nd ed.WB Saunders.Philadelphia.1996
■Guide for the Care and Use of laboratory Animal.U.S.Department of health,Education and Welfare.Public Health Service.NIH.1985
■Kaiser S,Kruger C,Sachser N.The guinea pig.In The UFAW Handbook on the Care &amp:Managment of Laboratory Animals 6th ed. Poole TB ed.Longman Scientific &amp:Technical.UK.p380-398.1986
■Slade LM,Hintz HF.Comparison of digestion in horses, ponies, rabbits and guinea pigs. Journal of Animal Science 28.842-843.1969

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