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マウスの知らないといけない知識

 2018/10/06 マウス・ラット この記事は約 7 分で読めます。

マウスは賢いミニマムサイズのネズミ

●マウスの和名はハツカネズミで、妊娠期間が約20日であることに由来しています。その短い繁殖サイクルから、実験動物として世界でもっとも多く使用されてます。
●人が農業を始めた約1万年前から、畑や穀物を保存するために建てた蔵にハツカネズミが棲み着くようになり、人との関わりが始まりました。その後、主に実験動物として使われるようになりました。

1分類・生態

●遺伝的特徴と生息域からいくつかの亜種に分けられていますが、実験用として使われているマウスは、この中のMus musculus castaneus,M.m.domesticus,M.m.musculusの3 亜種からつくられたといわれています。
●ペットのマウスは実験動物のマウスと区別するために、ファンシーマウスという呼称で呼ばれることもあります。日本ではまだまだペットとしてはポピュラーではありませんが、実験動物としての歴史が長いため、飼育方法などを調べるのは容易です。

ミッキーマウスはマウスがオリジナル?

ファンシーマスス

ファンシーマウス

1-1分類

ネズミ目(げっ歯目)ネズミ科ハツカネズミ属
学名: Mus musculus
英名:House mouse
別名:ハツカネズミ

1-2分布

世界各地

1-3身体

●頭胴長:約8cm
●尾長:約7cm
●体重:オス18~40g、メス20~40g
(一般的に同じ品種であればオスとメスの体格差が少ないのがマウスの特徴です)

1-4生態

環境
・草地、田畑、河原、荒れ地などをはじめ、家屋の周辺などの様々な環境
食性:雑食性で、植物の葉、茎、根、実や種子などを食べています。
行動:夜行性で、昼は巣の中で休み、夕方頃から活動をはじめます。
寿命:約2年

1‐5品種

マウスは毛色と毛の長さ・毛質によって品種が分けられています。流通している多くが毛が短い短毛種ですが、毛が長い長毛種、光沢のある毛や縮れた毛質を持ったマウスもおり、それぞれの毛色に毛の長さや毛質の組み合わせで、たくさんの品種が作られています。主な品種を紹介します。

ネズミ色だけではありません

ノーマル(アグーチ)

野生のマウスの体色で、体全体が一様に茶褐色~灰褐色をしています。目は黒目です。

マススノーマル
アルビノ

黒色色素が抜けているため、全身の毛が白色で、目は赤目です。実験動物で多く使用されているカラーです。
マウスアルビノ

ブラック

全身が黒色の毛で、毛の濃淡の幅は広いです。お腹がオレンジ色であるとタン、さらにお腹が白色を帯びるとフォックスと呼ばれます。多くは足に白色を帯びています。
マウスブラック

ダヴ

青色とチョコレート色が混合している毛色です。目は赤目と黒目がいます。
マウスダウ

シャンパン

毛色が薄茶色で、お酒のシャンパンのような暖かい色をしてます。目は赤目です。
マウスシャンパン

ブロークン

背中に白色の斑模様が不規則に入っています。写真のマウスはダヴのブロークンです。
マウスブロークン

パンダ(パンダマウス)

本来の毛色は黒色で、白色の斑点が入り、白黒のパンダ模様になったマウスです。通常のマウスよりも小柄です。パンダダマウスの歴史は古く、江戸時代からペットとして飼われ、豆斑(まめぶち)と呼ばれていました。
パンダマウス  パンダマウス

サテン

光沢のある毛で、毛色がより鮮やかにみえます。

レックス

巻き毛をしており、ウェーブがかかって、ヒゲもカールしています。

ロゼット

毛に巻いているつむじがいくつかみられます。

2特徴

2-1習性

●性格は穏やかで、好奇心旺盛といえます。咬みつくことはほとんどありません。
●知能が高く、学習能力に長けています。
●非常に人に馴れやすく、信頼関係ができてくると、人とコミュニケーションをとるようになります。ただし、人を個別に認識することはできません。
●夜行性ですが、昼間でも数時間間隔で睡眠と覚醒を繰り返します。そのために昼でもたびたび動き回る姿が観察されます。
●他のネズミに比べて素早く動き、飛び跳ねる行動(跳躍)がよくみられます。特に離乳前後の幼体は、人が触れようとすると飛び跳ねますので、落とさないように注意してください。
マウス

優しくて賢く人に馴れマウス

●鳴き声は、「チューチュー」と甲高い声を発しますが、主なマウスの音声コミュニケーションは、人には聞こえない超音波によるものです〔Konopka et al.2016〕。
●マウスもウサギほどではありませんが、食糞をします。

2-2身体特徴

●体が小さく、目も丸く、頭の大きさの割には大きな丸い耳をして、典型的なネズミの顔をしています。
●尾は細長く、ほとんど毛が生えておらず、鱗状の皮膚で覆われています。
●乳首は5対(10個)あります。
●前足の第1指は退化しているため、前足の指は4本、後足の指は5本です。

マウス前足

前足

●歯は前歯と奥歯があり、全部で16本で、特に前歯は大きくて鋭く、硬いものもかじります。前歯は常生歯で、生涯にわたり伸び続けますが、奥歯は伸びません。前歯の表面は黄褐色をしていますが、これは虫歯ではなく、体内のミネラルが沈着しているからです。
●夜行性の動物なので、視力が弱く、そのかわり聴覚(超音波でコミュニケーションをとる)と嗅覚(体臭やフェロモンで個体識別や性的誘導を行う)が発達しています。
●体臭があり、特にオスは強く、かび臭いといわれることがあります。

オスの体臭が強いですが、オヤジ臭ほどではありません

2-3繁殖

●雌雄は生殖孔(包皮の孔)と肛門の距離がオスはメスと比較して長いことで鑑別します。成熟したオスは精巣が大きくなり、陰囊が膨らむことでも容易に判断できます。
●オスは成熟後も鼠径輪(そけいりん)が開いているために、陰嚢が膨らんでみえない時がありますので注意してください。
●マウスは1年中いつでも繁殖することが可能です。
●繁殖の際にはオスとメスを各1頭ずつにさせますが、雌雄での相性の選択が難しく、相性が悪ければすぐにケンカが始まります。メスにオスを引き合わせるには、まず発情しているメスにオスをいれます。あるいは、オス:メス=1:3くらいのハーレム方式で繁殖を試みる方法もあります。
●発情したオスは興奮して活発に動き回り、臭腺の臭いでメスを引きよせるために、さかんに腰をケージにこすりつける行動がみられます。メスを同じケージに入れると陰部の匂いをかいで、交尾を迫ります。
●交尾の成立はメスの陰部に膣栓がついているか否かで判断できます。
●集団で子育てをし、自分の子供以外でも授乳します。
●ネズミ算ともいわれるほど強い繁殖力を持っています。寿命は短いものの、生後出産可能な時期が他の動物に比べて早く、一度に出産する数も多いのが特徴です。8~10週で妊娠が可能となり、妊娠期間も約20日と短く、1回の出産で6~10頭も子供が生まれてきます。年間の妊娠は6~10回となることもあり、つまり1年間では、最大2000頭を超えることになります。

マウス赤子  マウス赤子

表:繁殖知識〔Baumans et al.2010〕

性成熟 8-10週齢
繁殖形式 周年繁殖

発情周期:4-5日

妊娠期間 19(18-21)日
産子数 6-10頭
離乳 約21日齢

妊娠期間が20(はつか)なのでハツカネズミ

●長寿を目指すならば、ネズミドック(健診)をうけましょう。

飼育のコツはコチラ!

治療や健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

参考文献

■Baumans V.The Laboratory mouse.In The UFAW handbook on the care and management of laboratory and other research animals.Universities Federation for Animal Welfare.8th ed. Hubrecht R,Kirkwood J.eds.Wiler-Blackwell.Oxford.UK.2010
■Konopka G,Roberts TF.Animal Models of Speech and Vocal Communication Deficits Associated With Psychiatric Disorders.Biol Psychiatry1.79(1).53-61.2016

 

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