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ファンシーラットの知らないといけない知識

 2018/10/06 マウス・ラット この記事は約 7 分で読めます。

人気がじわりじわり上がっているファンシーラット

●ラットは野生のドブネズミを改良してつくられた実験用のネズミです。野生のドブネズミとは違って、安全で衛生的な環境で繁殖しているため、病原菌などの心配もありません。
●ペットのラットは実験動物と区別するために、ファンシーラットという呼称で呼ばれています。

1分類・生態

●ファンシーラットの起源は古く、18~19世紀のヨーロッパでペット用として繁殖されたのが始まりで、現在は世界各国の繁殖家によって、多様な毛色と毛質が存在しています。
●ペットのラットは野生種とは性格や身体特徴も異なる点が多く、本稿ではペット用のラット(ファンシーラット)について解説します。

ファンシーラットはドブネズミ

1-1分類

ネズミ目(げっ歯目)ネズミ科クマネズミ属
学名:Rattus norvegicus
英名:Fancy rat
別名:ドブネズミ、ラット

1-2分布

野生種のドブネズミの起源はカスピ海周辺とされ、現在では、世界中に分布していると考えられています。

1-3身体

●頭胴長:20~25cm
●尾長:15~20cm
●体重:オス300~800g、メス200~500g
(品種により差があり、加齢に伴い体重が増加します。マウスと異なり、オスとメスとで体格の差があり、オスの方が大きいのが特徴です)

1-4生態

●行動:夜行性で、昼は巣の中で休み、夕方頃から活動をはじめます。
●食性:雑食性で、植物の葉、茎、根、実や種子、昆虫、鳥の雛、マウス、小型爬虫類なども食べています。
●寿命:2.5~3年

1-5品種

ファンシーラットは毛色と毛の長さ・毛質によって品種が分けられています。流通している多くが毛が短い短毛種ですが、毛が長い長毛種、光沢のある毛や縮れた毛を持ったラットもおり、それぞれの毛色に毛の長さや毛質の組み合わせで、たくさんの品種が作られています。主な品種を紹介します。

ネズミ色だけではありません

アグーチ

茶褐色のドブネズミの野生色を指します。

アルビノ

アルビノは黒色色素が抜けているため、全身が白色で、目は赤目です。

ブラック

全身が黒色で白い毛はほとんどみられません。目も黒目です。


ホワイト

全身白色で、目は黒色です。ブラックアイド・ホワイト(Black-eyed white)とも呼ばれています。

ハスキー

お腹の毛が白色で、背中に色がついているような模様をしています。

  

フーテッド

フーテッドは頭巾斑とも呼ばれ、頭部が有色で、頭から耳の間を通って尾のつけ根まで一直線に色がついています。
  

サテン

光沢のある毛で、毛色がより鮮やかにみえます。

レックス

巻き毛で、ウェーブがかかっており、ヒゲもカールしています。

へアレス

無毛の個体ですが、鼻先にわずかに毛が生えていることがあります。

ダンボ

頭の横の低い位置に丸く大きな耳がついているのが特徴で、象のダンボに似ていることから命名されました。

超かわいい~ダンボの耳のラットです

マンクス

尾がないラットで、ネコの品種で同じく尾がないマンクスから命名されました。テールレスとも呼ばれています。

2特徴

2-1習性

●穏やかで、野生種と比べるとおとなしい性格です〔John 2005〕。知能が高く、学習能力に長けています。
●社交性のある動物で、仲間と行動を共にし、家族を愛し、面倒をみてくれる人を認識することもできます。人に馴れると、飼い主との信頼関係が築かれ、甘えてくるようになります。
  
●マウスと比べて夜行性が強く、昼に起き出すことは少なく、ずっと寝ています。
●ラットもウサギほどではありませんが、食糞をします。
●基本的にほとんど鳴くことはありません。
●夜行性の動物なので視力が弱く、そのかわり聴覚(超音波でコミュニケーションをとる)と嗅覚(体臭やフェロモンで個体識別や性的誘導を行う)が発達しています。

愛情深く優しくて頭がよいネズミ

2-2身体特徴

●野生種に比べて体が小さく、耳は大きく、尾は長いのが特徴です。そして、一般的に顔立ちがより鋭く、目も丸く、大きな丸い耳をしています。

●尾は太くて大きく、尾の皮膚は鱗状をしています。
●乳頭は6対(12 個)あります。
●前足の第1指は退化しているため、前足の指は4本、後足の指は5本です。

後足
●歯は前歯と奥歯があり、全部で16本で、特に前歯は大きくて鋭く、硬いものもかじります。前歯は常生歯で、生涯にわたり伸び続けますが、奥歯は伸びません。前歯の表面は黄褐色をしていますが、これは虫歯ではなく、体内のミネラル質が沈着しているからです。

●目の周りに赤色あるいは黒色の排出物が付いていることがあります。これは目の奥にあるハ-ダー腺に含まれるポルフィリンが光に反応して赤色になっているのです。血の涙とも呼ばれていますが、血液ではありません。正常でもみられることですが、病気やストレスによって多くでます。涙は鼻に排泄するので、鼻の周囲に色がついていることもあります〔石橋ら 1984〕。
  

赤い涙は正常です

●ラットは胆嚢がありませんが、その理由はよく分かっていません。肝臓の一部が胆嚢の代替機能を果たしているともいわれています。

2-3繁殖・生殖器

●雌雄は生殖孔(包皮の孔)と肛門の距離がオスはメスと比較して長いことで鑑別します。成熟したオスは精巣が大きくなり、陰囊が膨らむことでも容易に判断できます。
●オスは成熟後も鼠径輪が開いているために、陰嚢が膨らんでみえない時がありますので注意してください。

オスの陰嚢

●ラットは1年中いつでも繁殖することが可能です。
●繁殖の際にはオスとメスを各1頭ずつにさせますが、雌雄での相性の選択が難しく、相性が悪ければすぐにケンカが始まります。メスにオスを引き合わせるには、まず発情しているメスにオスをいれます。あるいは、オス:メス=1:3くらいのハーレム方式で繁殖を試みる方法もあります。
●発情したオスは興奮して活発に動き回り、臭腺の臭いでメスを引きよせるために、さかんに腰をケージにこすりつける行動がみられます。メスを同じケージに入れると陰部の匂いをかいで、交尾を迫ります。
●交尾の成立はメスの陰部に膣栓がついているか否かで判断できます。

表:繁殖知識〔Baumans et al.2010〕

性成熟 約60日齢
繁殖形式 周年繁殖

発情周期:4-5日

妊娠期間 21-23日
産子数 3-18頭
離乳 約21日齢

 

●長寿を目指すならば、ネズミドック(健診)をうけましょう。

飼育のコツはコチラ!

治療や健康診断を希望であれば、エキゾチックペットクリニックまで、ご予約をおとりください

参考文献

■Baumans V.The Laboratory mouse.In The UFAW handbook on the care and management of laboratory and other research animals.Universities Federation for Animal Welfare.8th ed. Hubrecht R,Kirkwood J.eds.Wiler-Blackwell.Oxford.UK.2010
■John K.Animals in Person: Cultural Perspectives on Human-animal Intimacy.Berg Publishers.p131.2005
■石橋正彦,高橋寿太郎,菅原七郎,安田泰久編.実験動物学.ラット.講談社.東京.p66.1984

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